Forbes JAPAN 2026年3月号は「20 HOT CREATORS 進化するクリエイター経済」特集。本稿は、本特集内の記事の転載である。
日本の基幹産業のコンテンツ産業やエンタメ業界全体において、コアになるのはクリエイターが生み出すIPだ。音楽やアニメ、映像など各領域でイノベーティブな挑戦を続ける3人が、未来を担うクリエイター像を議論した。
2033年までにコンテンツ海外売り上げを20兆円規模へと拡大させる目標を掲げ「エンタメ立国」を目指す日本。クリエイターエコノミーが拡張するなかで、世界で戦える強いIPはどうやったら生まれるのか──。
映像を中心にキャラクターIPや広告などを制作するCHOCOLATE取締役/チーフコンテンツオフィサーの栗林和明、YOASOBIの仕掛人でありミュージックレイン代表取締役の屋代陽平、Tohjiなどインディペンデントアーティストのマネジメントなどを行うCANTEEN代表の遠山啓一の3人が、ともに未来を考えた。
──日本経済の成長に必要なクリエイターとは?
栗林和明(以下、栗林):「原液」をつくる力がいちばん重要だと思います。原液とは、クリエイターが自分の色ややりたいこと、作家性を濃縮しきったもの。生成AIの登場で、一定レベルの絵や音楽なら誰でも生み出せるようになりました。ただ、それは原液ではない。もちろんテクノロジーを活用してもいいのですが、それを紡いで紡いで最終的に自分の結晶体にしないと強いクリエイティブにはなりません。「これが自分だ」という塊をどれだけつくれるのか。それがこれからのエンタメやクリエイティブのすべてだという感覚をもっています。
一例をあげると、アニメ『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』をつくった亀山陽平さん。ネット空間は普通にやるとアルゴリズムに負けて迎合してしまうんです。しかし彼はアルゴリズムをむしろ食っている。そうした原液力の強さがこれからは必要です。



