健康

2026.03.01 10:17

ほんの小さな工夫でもスクリーンタイムは減らせる

AdobeStock

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日々の生活が、スマートフォンなしではたちまち立ち行かなくなる光景は想像しがたい。スマートフォンは目覚まし時計であり、クレジットカードであり、パーキングメーターであり、テレビであり、カメラであり、列車の切符であり、天気予報であり、新聞でもある。

簡単に手放せないからこそ、スクリーンタイムを減らすのはなおさら難しい。だが、私たち全員をスマートフォンに縛りつけている「つながり」を緩めたいという欲求が高まっている。

アプリのBePresentが18〜60歳の米国人成人525人を対象に行った2024年の調査によれば、米国人の4分の3超(76%)が「スマートフォンに費やす時間が長すぎる」と考え、57%がスクリーンタイムを減らそうとして苦戦している。

懸念すべきことに、回答者の73%が「スクリーンタイムの増加がメンタルヘルスに影響した」と述べており、半数が睡眠の減少を、3分の1が不安の増大を報告した。

スクリーンタイムを減らすことで得られるものは大きい。それでも現実には険しい道のりであり、そうでなければ、もっと多くの人がすでに実行できているはずだ。

しかし、PR・マーケティングエージェンシーの創業者であるハンナ・カンパナ=フロストが証言するように、正しい方向への小さな一歩でも大きな影響をもたらし得る。スクリーン利用で創造性が奪われていることに気づいた彼女はホーム画面を作り替え、その効果は劇的だった。

「自由に考えることから注意をそらすようなストーリーや物語に巻き込まれやすく、それが消耗につながっていた。現実の、身体のある世界に戻りたかった」と彼女は振り返る。

カンパナ=フロストはスマートフォンの通知をすべてオフにし、SNSアプリなど、いわば「構ってほしがる」ものを2ページ目へ移した。さらに、すべてのデバイスで費やしている時間を把握するため、1ページ目にスクリーンタイムのウィジェットを置いた。

こうした簡単な調整で、彼女のスクリーンタイムは4分の1以上減った。新しい創造的アイデアを考える余裕が生まれただけでなく、何年もしていなかった夜の絵画も再開した。メモも、スマートフォンのメモアプリではなく紙のノートに取るようになった。

彼女はこう語る。「いちばん大きな変化は、休憩の瞬間や何かを待っている時間など、ちょっとした合間にどれほど頻繁にスマートフォンへ手を伸ばしていたかに気づいたことだ。こうした不快感から逃げるためにスクリーンを使わないと、経験できるものはずっと増える。物が見える。本に手が伸びる。人を眺める。考える。感傷的に聞こえるかもしれないが、とりわけ余暇の時間にスクリーンから離れると、長い眠りから目覚めるような感覚がある」

テクノロジー・マネジメントの教授ポール・レオナルディは、著書Digital Exhaustion: Simple Rules for Reclaiming Your Life(デジタル疲労:人生を取り戻すためのシンプルなルール)』で、問題はデバイスそのものではなく、その使い方にあると論じている。

彼によれば、私たちの利用パターンに結びついた社会的・組織的・文化的な期待が人々をデジタル疲労へと導いてきた。彼は2002〜2022年の20年間、12カ国の成人1万2643人を追跡し、その期間に自己申告によるデジタル疲労の水準は2倍以上に増えたという。

彼はこう説明する。「現代において、オフィスワークをし、よき友人やきょうだいであり、市民生活の大半の制度と関わり、近くの人とも遠くの人とも関係を保とうとするなら、デジタル技術と、それがもたらす疲労の脅威から逃れることはできない。だが、より健全な形で使うことは学べる」

スマートフォン習慣を断つ方法

通知が私たちを気散じさせ、スマートフォンに手を伸ばさせているという通説がある一方で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が2020年に行った研究では、スマートフォン操作の89%はユーザー自身が始めており、アラートに促される操作は11%に過ぎないことが示された。

アプリ通知を消すのは有効だが、それで終わりにしてはならない。スマートフォンに手を伸ばすのは、しばしば無意識であり、習慣になっている。

これに対抗するためにレオナルディが勧める方法は、シンプルで実行可能だ。デバイスと自分の間に物理的な距離を置くことだ。「ほんの少し距離を取るだけで、私たちは意図的になれる」と彼はCNBCに語っている。

つまり、手の届かないところにスマートフォンを置く。オフィスやリビングに入ったら、座る場所から部屋の反対側に置くか、鍵付きの場所にしまい、鍵も手の届かないところに置く。

同様に、毎朝スマートフォンの音で起きているなら、目覚まし時計を購入し、スマートフォンは別の部屋で充電する。

そうすれば、スマートフォンと関わる主導権を自分の側へ取り戻せる。スマートフォンを見る必要があるとしても、その判断は意図的なものになる。

カンパナ=フロストがホーム画面を組み替えたのと同様に、スマートフォンのホーム画面をできるだけ魅力のないものにすることを勧める専門家もいる。最も依存性の高いアプリをアンインストールしない選択をするなら、使用頻度を下げたいアプリをフォルダに隠すことで、距離を置く効果が生まれる。

スマートフォンの色設定をグレースケール(灰色階調)に切り替えれば、アプリを素早く見つけにくくなるうえ、ユーザー体験もそぎ落とされる。いわゆるミニマリスト・ランチャーアプリ(ホーム画面のアイコンを消し、不要なアプリを隠し、タイマーで使用時間を計測するアプリ)をダウンロードする人もいる。

また、余暇に取り組める活動のうち、スマートフォンの助けを必要としないものは何かを考えてみたい。走るときに走行距離を記録したり音楽を流したりするためにスマートフォンを使うのは合理的かもしれないが、スマートフォン抜きでできる活動も多い。スマートフォンを置いて、ガーデニング、本を読む、手仕事をする、友人を訪ねる、犬の散歩をする、料理をするといったことに取り組んでみるとよい。

スマートフォンとの、より健全で消耗の少ない関係は、完全に断つという荒療治なしでも実現可能だ。小さな段階的な変化と、現実世界により意識を向けたいという意欲があれば十分かもしれない。

forbes.com 原文

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