アジア

2026.03.01 09:16

深刻化する南アジアの猛暑、国際機関が対策に本腰

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急速に深刻化する猛暑の脅威から南アジアの人々を守るための、新たな統合型プロジェクト2件が発表された。

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ロックフェラー財団と慈善財団ウェルカムの資金提供を受ける2つの新イニシアチブは、猛暑およびその他の気象関連の健康影響を検知し、備え、対応する地域の能力強化を目的とする。

1つ目のプロジェクトは「南アジア気候・健康デスク」で、世界気象機関(WMO)と世界保健機関(WHO)の共同「気候と健康」プログラムの一環として設立された。

この新部門は、南アジアの気象機関と保健分野のパートナーが緊密に連携し、早期警戒ツールやリスク評価を開発するのを支援する。

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また、気象・気候情報を地域の関係者が開発し、検証し、共有できるよう支援することも目指す。これにより、危険な熱波の発生前および発生中、さらには疾病の流行を含む他の健康リスクに対しても、地域社会や当局が迅速に行動できるようにする。

2つ目のプロジェクトは「南アジア科学研究コンソーシアム」で、熱がさまざまな人々に与える影響について、地域の科学的理解を深める。

同コンソーシアムは、個別に最適化された熱リスクの閾値を策定し、最終的には地域全体の熱中症対策計画の強化を目指す。

オックスフォード大学の研究者による最近の研究は、今後25年間に世界平均気温が産業革命前の水準を2度上回ると、2050年までに世界人口の半分が猛暑と共に暮らすことになると警告した。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、世界的に高まる猛暑リスクに対処するため、緊急の国際的行動を呼びかけている。

世界気象機関によれば、アジアの温暖化は世界平均のほぼ2倍の速さで進んでおり、異常気象を激化させ、地域全体で人命と生計、経済、そして生態系に対する圧力を増大させている。

インドとパキスタンでは、モンスーン前の気温が常時50度を超えることもあり、現在この地域の暑熱関連死亡は年間20万人を上回る。

同時に、猛暑は経済の安定を損なうことでも知られている。

ランセット・カウントダウンによると、2024年だけでも、暑熱曝露によりインドでは潜在的な労働時間2470億時間が失われ、推定1940億ドル(約29兆円)の所得損失につながった。

ロックフェラー財団で健康分野を担当するバイスプレジデントのマニシャ・ビンゲは、インタビューで南アジアは「熱危機の最前線」にあると語った。

ビンゲは、同地域は以前から高温に直面してきたものの、近年は長期化し持続する熱波が相次ぎ、「生存可能性の限界」を試していると付け加えた。

彼女は、最近の熱波が、解決策の開発と、気候科学を公衆衛生にとって意味のあるものにすることへの真剣な関心を生んだと述べた。

「今後数十年で、南アジアの一部では年間の猛暑日がほぼ8倍になるのを目にすることになる」と彼女は語った。

「昼夜を問わない気温上昇、そして高温が続く期間の長期化は、健康な機能を維持するために、人間の身体が根本的に異なる形で機能する必要があることを意味する」

ビンゲは、今回発表された2つのプロジェクトにより、気候科学を公衆衛生サービスにとって有意義なものにし、同サービスが「猛暑への対抗策」を策定する支援になると付け加えた。

ウェルカムで気候と健康を統括するアラン・ダンゴア医師は声明で、気候変動による気温上昇は公衆衛生上の脅威だと述べた。

ダンゴアはまた、猛暑は南アジアのコミュニティに深刻な影響を与えており、とりわけ子ども、妊婦、高齢者、屋外労働者、そして対応資源が最も乏しいコミュニティが大きな打撃を受けていると付け加えた。

「意思決定の中核に公衆衛生を据え、排出削減とレジリエンス構築の双方を実現する科学主導の解決策に投資する必要がある」と彼は述べた。

昨年11月には、30都市超による新たなグローバル連合が、猛暑問題に取り組むことを誓約した。

また、最近開催されたムンバイ・クライメート・ウィークの年次イベントでは、グローバル・エネルギー・アライアンス・フォー・ピープル・アンド・プラネットも、インドの送電網の近代化と配電改革を加速するための新たな国家プラットフォームを立ち上げた。

「インディア・グリッズ・オブ・ザ・フューチャー・アクセラレーター」プラットフォームは、配電の近代化、再生可能エネルギーと蓄電の統合、そして急速な需要拡大に備えたインドの送電網の準備を目的とする。

同プラットフォームはまた、インド政府の「ヴィクシット・バーラト2047」ビジョンの下で、経済成長とエネルギー転換というインドの2つの優先課題を前進させるよう設計されている。

forbes.com 原文

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