UFO情報公開としてあるべきではない姿
この質問を構成するための1つの方法は、何が不要かを明確にしておくことだ。実のところ、現在相次いで開かれている米議会公聴会から提供されているものはすべてこの不要なものなのだ。議会がUFOやUAP関連の証言を収集し始めてから3年になるが、得られたのは大量の無意味な情報であり、新事実は1つもない。これまでに提示されたのは、不鮮明な動画とそれがいかに謎めいているかを息もつかずに訴える主張の数々だ。だが、この動画の一部に関しては、物理学の素養が少しでもあれば、合理的に説明することができる。
さらに重要なのは、UFOの個別事例を調査している米国防総省の専門機関である全領域異常対策室(AARO)が、目撃例の大部分(90%以上)は正体を特定できると明らかにしていることだ。残りの多くは、情報が不十分なために然るべき調査を始めることすらできないという。それでもまだ真に「説明不能」のままであれば興味深いが、そうした目撃例は極めて稀で、公聴会からは決して出てこない情報だ。
公聴会で取り上げられるもう1つの煽情的な議題は、元当局者からの証言だ。エイリアン(宇宙人)の宇宙船や遺体が政府の格納庫に隠されているとする真に並外れた主張を、元当局者は繰り広げた。しかしながら、証人は自身の主張に対する証拠を何も提供できていない。実際、宇宙人の宇宙船や遺体を直接見たことがあるとの証言すらできない場合が多い。残りは「知り合いの知り合いの知り合いが宇宙船を見たと言っていた」というケースだ。
科学が正常に機能する仕組みは、そういうものではない。
従って、人類の歴史を通して最も重大で重要な主張である「エイリアン(地球外生命体)は地球を訪れている」に関しては、不鮮明な球体の動画や証明不可能な話だけでは不十分だ。政府文書の公開でもこの類いの情報しか得られないとしたら、お手上げ状態に陥ってしまう。ケネディ大統領暗殺事件をめぐる終わりのない憶測のようになるだろう。もしそれだけしか得られないならば、10年後も依然として、相変わらずぼんやりしたUFOの痕跡をめぐる同様の議論を続けているに違いない。


