教育

2026.02.28 11:16

AI時代の子育てと教育:役員室から食卓まで、正解のない選択を迫られる私たち

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わが家の夕食のテーブルは、ときどき私が日々座っている役員室のテーブルによく似ているように感じる。おそらく、夕食のテーブルのほうがチキンナゲットは多い。InnovateEDUのCEOとして、私は人工知能(AI)が数百万人の生徒にとって学びの未来をどう作り替えるのかに日々向き合っている。しかし母親としては、同じ未来が自分の子どもたちにとってどのような姿になるのかを、夜ごとに探りながら過ごしている。

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私たちは今、独特で目が回るような交差点に立っている。AIはもはや理論上の地平線ではない。教室にも職場にも家庭にも入り込んだ現実である。教育者にとっても親にとっても、このテクノロジーの急速な変化は深刻な決断疲れを引き起こしている。状況が絶えず変わるなかで、どうすれば正しい選択ができるのか。

学校におけるAI

学校での課題は、AIを使うかどうかだけではない。どう使い、どう調達するかである。いまK-12教育(幼稚園から高校までの教育)は、危険な境界の曖昧化に直面している。利用できるからという理由だけで、消費者向けのAIツールを教室に統合しようとする動きが加速している。しかし「そこそこ使える」消費者向けテックでは、生徒にとって十分ではない。本当の学びは、「生産的な葛藤」のなかで起きる。生徒が概念に取り組み、失敗し、調整し、成功する過程だ。私たちに必要なのは、答えを生成するのではなく、答えを探すことへ導く、教育目的で設計されたツールである。

ツールそのものに加えて、制度的な障壁にも向き合わなければならない。教育における歴史的な不平等は、AIをめぐって新たに生まれているだけではない。AIによって能動的に悪化させられている。最近のデータは、この不平等が拡大している厳しい現実を示している。2025年12月のCollege Boardの報告書は明らかにした。「私立学校は、公立校に比べて生成AI(GenAI)の利用を認め、かつそれを規定する方針を持つ可能性が2倍以上高い」というのである。

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家庭におけるAI(そしてテクノロジー)

家庭では、私自身を含む親が、この摩擦を痛いほど感じている。どこで線を引くべきかと同じ親たちに尋ねられることが多いが、私自身の家庭で刻々と変わる状況を現場で切り抜けようとしているため、答えを見いだせずにいる。私がやっていることとしては、子どもと並んでのテック利用、SNSは禁止、子どもに携帯電話は持たせない、と伝えている。しかし、それが正しい選択なのか。それで足りるのか、やり過ぎなのか。正直、私にもわからない。私たちは「AI時代」の子育てを、手引きのないまま求められている。データプライバシー、スクリーンタイム、批判的思考力の喪失といった正当な懸念と、子どもの好奇心のバランスを取ろうとしているのだ。

最近のデータは、この両義性を見事に捉えている。MassINCとEdTrustが実施した2026年1月のマサチューセッツ州全域の世論調査によれば、生徒の59%が「すでに学校の課題にAIを使ったことがある」一方で、親の意見は大きく割れている。約3分の1はAIを肯定的に捉え、別の3分の1は否定的で、残りは単に判断がつかない。ただし、親が一致している点がある。それは、強固で譲れないガードレール(安全策)を求めることだ。テクノロジーの無法地帯は望んでいない。

生徒の安全

2025年後半に相次いだ世論調査データによれば、親たちは生徒の安全と自己決定権について警鐘を鳴らしている。

• 同意に関するガードレール:CDTによる2025年10月の調査では、親の72%が「教室でAIツールが使われる前に、子どもを利用対象から外す選択(オプトアウト)ができるべきだ」に同意した。

• プライバシーに関するガードレール:2025年6月のPDKの世論調査では、親の68%が、成績や個人情報を含む生徒データへのアクセスをAIソフトウェアに与えることに反対した。

• 社会性・情緒面のガードレール:リスクは学業にとどまらない。米国の学校を対象にした2025年7月のLinewizeの調査では、60%が「生徒が教師や親ではなくAIチャットボットに悩みを打ち明けている」と報告し、45%が「生徒がAIコンパニオンに情緒的な愛着を形成している」と報告した。その結果、多くの親が、AIが人と人とのつながりを蝕んでいるのではないかと深く懸念するようになっている。

最後に、2025年9月のGallupの調査では、驚くべきことに米国人の97%が「AIの安全とセキュリティは規則や規制の対象とされるべきだ」に同意した。これらの統計が示すのは、親は未来を禁止したいのではなく、管理したいということだ。子どものデータが守られ、AIが学びの足場(スキャフォールド)として機能し、人間同士のつながりを置き換えないことを保証してほしいのである。私はその願いを理解しており、同じ気持ちでもある。

正しい意思決定をするために

では、どうすれば正しい判断ができるのか。

禁止よりもリテラシーに注力する。全面禁止は機能せず、低所得の生徒に不釣り合いな害を与える。焦点はAIリテラシーに置くべきだ。こうしたモデルがどう動くのか、出力に含まれ得るバイアスをどう吟味するのか、どう安全に使うのかを、生徒(そして親やコミュニティ)に教える必要がある。3月27日の「National AI Literacy Day(全米AIリテラシー・デー)」は、始めるうえで優れた方法である。

• 透明性を求める。教育長として学区全体のソフトウェアを購入する場合でも、親としてアプリをダウンロードする場合でも、透明性を求めよ。データはどこへ行くのか。ツールはプライバシー法に準拠しているのか。子どものプライバシーを中核に据えて設計されていないテックは、子どもの手に渡るべきではない。

未来を共創する。教育者と親は、テクノロジーの受け身の消費者であることをやめなければならない。AI戦略を構築する際には、コミュニティ全体を招き入れられるだけの十分に大きなテーブルが必要だ。

最終的に、教育の未来に対する私の希望は計り知れない。そうでなければ、毎朝ベッドから起き上がって今の仕事をすることはできないだろう。AIには、スクールバスの経路を再計算し、事務作業や教員の負担を減らし、これまで取り残されてきた生徒に高度に個別化された学びを提供する可能性がある。私の息子のような学習障害のある生徒にとっても、新たな機会にアクセスし、新しい方法で自分の才能を発揮できる強力な機会となり得る。

forbes.com 原文

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