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2026.03.02 08:15

世界最大級の施設が始動。INPEXと大阪ガスが挑む都市ガスの脱炭素化

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二酸化炭素と水素から都市ガスの原料となる合成メタンを作る「メタネーション」という技術がある。二酸化炭素排出量は実質ゼロ、天然ガスと同等の都市ガスを国内で生産できるためエネルギー安全保障の面からも注目され各社が研究を重ねているが、INPEXと大阪ガスは、このほど世界最大級の実証施設の運用を開始した。

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工場などから排出される二酸化炭素を回収し、グリーンな水素と反応させてメタン(CH4)を合成するメタネーションには、触媒を使って二酸化炭素と水素を高温で反応させるサバティエ方式、より効率的で低コストな電気分解でメタンを合成するPEMCO2方式、サバティエとPEMCO2のハイブリッド型、微生物に合成を行わせるバイオリアクター方式などがある。

現在、技術が確立されているのはサバティエ方式だ。INPEXの実証施設もそれを採用している。新潟県長岡市のINPEX JAPAN長岡鉱場、越路原プラント内に建設されたこの施設は、毎時400立方メートルのメタンを製造できる世界最大級の能力を持つ。これは、1年間に家庭用約1万戸分のガス消費量に相当する。

ここで合成されるメタンの濃度は96パーセント。通常、都市ガスでは90パーセント以上とされている。同施設では、2月20日に、天然ガスパイプラインに合成メタンの注入を行った。今後は「越路原プラントを介してINPEX JAPANの天然ガスパイプラインへ注入される計画」とのこと。

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この実証実験は2026年度末まで行われる。そこでは、商用スケールへの大型化、適用性、経済性などの評価、処理の基本性能や触媒の耐久性などの評価、反応の挙動把握を目的とした技術シミュレーション技術の開発、試験設備の建設と実証運転および評価などが行われることになっている。INPEXと大阪ガスは、メタネーションによる都市ガスのカーボンニュートラル化の早期社会実装に向けて取り組むということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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