
しかし、目の前にはより大きな問題がある。それは、世間一般的な考えの中にUFO話と実際の宇宙生物学とが重なり合う部分があることだ。天文学者はこの分野で、遠方の星を公転している太陽系外惑星を数千個発見するなどの驚くべきことを成し遂げている。1995年以前は、太陽以外の恒星が惑星を持っているかどうかもわかっていなかったのにだ! これは科学的な生命探査の基盤を強固なものにしている。現在建造中の望遠鏡は今後数十年以内に、人類がどれほど独特な存在かという疑問の答えを見つけるかもしれない。
同時に、UFOを議題とする米議会公聴会が次々と開かれる中で、一般の人々がUFOに対して持つイメージに大きな変化が起きている。公聴会では、米政府が数十年にわたって宇宙船を格納庫内に隠蔽していると、元情報機関職員が証言している。
だが、地球外生命体をめぐって公の場で行われているこれら2種類の議論の違いは明白だ。前者の宇宙生物学は、苦労の末に実現された技術的進歩に基づいている。そのためには、人類が多大な時間をかけ、宇宙の観点から生命の疑問に答えることを可能にするデータの収集に専念することが不可欠だ。
後者(のUFO公聴会など)が生み出しているのは大量の無意味な情報であり、新事実は1つもない。「宇宙にいるのはわれわれだけではない(we are not alone)」のように突飛な主張を立証するために科学者が利用できるかもしれないものは何一つないのだ。これまでのところ、UFO公聴会がもたらしたものは、詳細が何もわからないひどい動画と、「知り合いの知り合いの知り合いが、格納庫で宇宙船を見たと言っていた」という証言の数々だけだ。これでは何の解決にもならない。
ところで、誤解しないでいただきたいが、情報公開には大賛成だ。もし情報があるのなら、公表しようではないか。結局のところ、宇宙のどこかに地球外生命体が存在してほしいと、私ほど強く願っている者はいない。
だが、私は信じたいのではなく、知りたいのだ。それを知るための唯一の方法は、非常に骨の折れる科学的研究を重ねることだ。なので、政府は地球外生命体について知っている(それは真に驚くべきことだろう)と、たとえオバマが述べたとしても、実物の生体サンプルや画像やレーダー測定値などを入手できなければ、それが実際にどう役に立つのだろうか!
この記事を執筆している目的は、問題の真の焦点がどこにあるのかを皆に思い出してもらうためだ。それは地球の大気圏内ではなく、それをはるかに超えたところにある。地球外生命探しは、彼らが暮らす太陽系外惑星で行うべきだ。
それが今や、私たちにはできるのだから、かなりすばらしいことなのだ。


