欧州

2026.02.24 09:00

ウクライナ侵攻開始から4年 和平実現の鍵を握るのは

ウクライナ首都キーウの独立広場に設けられた戦没者記念碑。2026年2月22日撮影(Diego Fedele/Getty Images)

ウクライナ首都キーウの独立広場に設けられた戦没者記念碑。2026年2月22日撮影(Diego Fedele/Getty Images)

ロシアが2022年にウクライナへの全面侵攻を開始してから24日で丸4年を迎えた。だが、明らかな終結の兆しは見られない。世界各国の首脳や外相、国防相らが外交・安全保障問題を話し合うミュンヘン安全保障会議が今月中旬ドイツで開かれ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、英国のキア・スターマー首相、米国のマルコ・ルビオ国務長官と会談し、ウクライナ侵攻の終結に向けた戦略について協議した。

advertisement

西側諸国が戦争終結の方法を模索する中、ロシア軍はウクライナ全土でミサイルとドローン(無人機)による攻撃を実施した。ウクライナでは住宅を含む民間施設が攻撃で損傷し、民間人の負傷者も発生した。

米国のドナルド・トランプ大統領はこの1年、戦争の終結に向けた交渉を主導してきた。この間に、米高官はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、米国でウクライナとロシアの担当者と会談し、平和への道筋について協議した。

だが、筆者の取材に応じたスティーブン・パイファー元駐ウクライナ米大使は、過去1年間の調停努力は効果がなかったと指摘する。「まず、昨年3月にトランプ大統領が30日間の停戦を提案した。ウクライナ側は即座に承諾したが、ロシアはこれに応じなかった」

advertisement

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は翌月、ウクライナとロシアの一般市民がユダヤ教の過越祭とキリスト教の復活祭を祝うことができるよう、両国間の週末休戦を提案した。ところが、この提案から24時間も経たないうちに、ロシア軍はウクライナの複数の都市に対してミサイル攻撃を開始した。昨年5月と8月にも同様のパターンが見られた。直近では今年1月、ウクライナの厳しい気象警報を受け、プーチン大統領が同国のエネルギー施設に対する1週間の停戦を提案した。しかし、この提案さえも守られなかった。

パイファー元大使は次のように指摘する。「ゼレンスキー大統領は、ウクライナ領土の事実上のロシア占領を受け入れるなど、かなり痛みを伴う譲歩を行う用意があることを示唆している。これは大きな動きであり、ウクライナ人にとっては困難な決断となるだろう。一方で、ロシアの立場に目立った変化は見られない。ロシアの要求は、2024年に述べてきた内容から変わっていない」

米高官は先週、スイスでウクライナとロシアの担当者と再び会談した。和平交渉を継続するため、向こう数週間のうちに再び会談する予定だ。だが、こうした交渉を重ねても、戦争の終結には至っていない。

ウクライナの領土問題は、交渉プロセスにおける「主要な懸案事項」のままだ。ロシアはウクライナに対し、同国南部と東部の領土を割譲するよう要求している。一方、ウクライナ側は自発的に領土をロシアに譲渡することを望んでいない。なぜなら、それは南部のヘルソン州、ザポリッジャ州、東部のルハンシク州、ドネツィク州における接触線をロシア側に有利な方向に動かすことになるからだ。こうした意見の相違により、双方が戦争を終結させる道筋を見いだせていない。その結果、戦闘は今も続いている。

次ページ > ウクライナ侵攻に伴う損失の規模

翻訳・編集=安藤清香

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事