経済

2026.02.23 08:00

米イラン緊張、原油相場への影響は にらみ合い継続から内戦まで7つのシナリオ

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にらみ合いの継続:米国がイランに対する大規模な軍事プレゼンスを何カ月も維持することはまずありそうにないが、交渉が断続的に進むあいだ軍事行動を先延ばしにすることは十分あり得る。この場合、数週間たつとトレーダーが軍事行動の可能性を割り引き始める(いわゆる「紛争疲れ」)ため、セキュリティー・プレミアムはおそらく低下する。

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米・イラン間の外交合意:この場合、制裁下にある数千万バレル規模のイラン産原油が市場に放出されるとの見通しから、原油価格は急落するだろう。もっとも、イランの原油生産量がその後1~2年で大幅に増える見込みは薄いため、制裁原油が一巡したあとには価格がいくらか反発しそうだ。全体としては、当面のあいだ相場は1バレルあたり数ドル程度下押しされると予想される。

原油禁輸:米国がタンカーを拿捕してイランの原油輸出を遮断する。これは、あとに述べるような継続的な戦闘シナリオにつながるかもしれない。いずれにせよ、イランによる日量100万〜150万バレルの原油輸出が失われることになり、価格は数週から数カ月にわたり高止まりする公算が大きい。原油禁輸は内戦シナリオを誘発する可能性もある。

一度きりの限定的な軍事攻撃:これは2025年の攻撃と似たようなものになり、主にイランの核施設や弾道ミサイル施設が目標になるとみられる。このシナリオでは、ドナルド・トランプ米政権は目的は限定的だと宣言し、長期にわたる作戦継続は意図されないだろう。イラン側による反撃も、域内の米軍基地、場合によってはイスラエルに対するミサイルやドローン(無人機)による攻撃に限定されると考えられる。その被害が最小限にとどまると仮定すれば、その後は激しい非難や威嚇の応酬が続きはしても、昨年と同様にそれ以上の軍事行動には発展しないかもしれない。原油市場への影響としては、価格は一時的に急騰するだろうが、海上輸送や石油インフラへの攻撃が示唆されない限り、すみやかに攻撃前の水準へと戻ると見込まれる。

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度重なる攻撃:米国がイランの政権に対して、少なくとも一部の要求を受け入れるよう圧力をかけ続けるために、継続的な攻撃を行う。イランへの攻撃が続く限り、イランが報復として原油の輸送やインフラを攻撃するのではないかとの懸念から、実際にはそれらに対する直接攻撃がなくても原油価格は高止まりしそうだ。イランによる反撃は組織的なものになる場合もあれば、単発的なものにとどまる場合もあるだろう。米国が数週間ないし数カ月間続く作戦を実施する可能性は低いと思われるが、作戦が続くあいだはセキュリティー・プレミアムが残ることになる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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