アメリカのファストフード大手のタコベルや、KFCやピザハットなどの親会社であるヤム・ブランズの株価が、6日に急落した。第三四半期の売り上げと利益が、市場予想を下回ったからだった。
中国での売り上げも、失望を生んだ。同四半期は2%増と好調に転じたものの、9.6%増とのアナリスト予想を大幅に下回ったことや、今年の業績見通しを会社側が下方修正したことなどが原因だった。
こうした報道を受け、立ち会い時間後の取引での株価は13ドル以上(17%)も値を下げた。
同社にとって、中国市場の問題は解決の見通しがたたない状態となっている。1年以上前、マクドナルドや同社と取引していた地元の食肉納品業者が、不適切な食材の取り扱いをしていたとして倒産に追い込まれ、両社ともども謝罪。卸元を変えたにもかかわらず、傘下のレストランへの客足の回復は鈍いままだからだ。
世界第2位の市場である中国では、四半期ごとに二桁規模で景気が落ち込む状態がずっと続いていたが、この第三四半期になって明るさを取り戻した。にもかかわらず、売り上げなどは低迷したまま。
中国での同社の売り上げ回復は、経営陣が予想していたよりも遅く、引き続き不満の原因となっている。既存店の売り上げは、KFCが3%伸びたが、ピザハットの売り上げが1%減となったため、相殺された形だ。
こうした鈍い回復が、通年での業績見通しを蝕んでしまった。「中国での売り上げ回復が予想よりも鈍い。ピザハット・カジュアル・ダイニングでの売り上げに特にその傾向が著しい。また、強力な外国為替の逆風状態などを考えれば、通年でのEPS成長率は一桁台前半になるだろう」(同社声明)。また、既存店舗の売り上げも一桁台前半となるだろうと、今となって予想している。
第三四半期での全体的な純利益は4億2100万ドル(約504億円)。1株当たり95セント(約114円)となった。前年の第三四半期は4億400万ドルで、1株当たり89セントだった。諸項目調整後の利益は1株当たり1ドルとなり、アナリスト予想を7セント下回った。
売り上げは2%増の34億3100万ドル(約4113億円) だったが、こちらもアナリスト予想の36億8000万ドルを下回っていた。ヤム・ブランズの株価は今年初めから14%上がったが、立ち会い終了後の取引では17%減の69ドル79セントとなっていた。