キャリア

2026.02.20 23:04

誰もが専門家を名乗れる時代、「プロの基準」は誰が決めるのか

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Gary LamachはELBの成長担当EVPであり、取締役、スピーカーでもある。

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今日の多くの職業資格が証明しているのは能力ではなく「修了」だ。チュートリアル動画、自動採点の演習、デジタルバッジ。実務の評価もなければ、同業者による検証もなく、更新要件もない。採用担当者はそれを知っている。LinkedInのプロフィールに認定資格が並んでいても、結局何が担保されているのかは分からないのだ。

採用責任者との会話のなかで、私はこの状況が繰り返し起きるのを見てきた。資格は「専門性」を示唆する。しかし何も保証しない。少なくとも十分には保証しない──不適切な採用のコストが、何カ月にも及ぶ生産性の損失やチームの混乱として測られるのなら、なおさらだ。

これは主として情報の問題ではない。信頼性の問題である。専門職団体はそれを解決できるはずだが、彼らが動かなければ、別の誰かが解決する。そのやり方は、信頼を築くのではなく分断するものになりかねない。

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信頼性は業務効率に直結する

信頼性が不明確なとき、組織はレビューの層を増やし、意思決定を遅らせ、学歴や人脈といった非公式な代替指標に頼る。こうした迂回策はコストを押し上げ、流動性を下げる一方で、成果を良くするわけではない。

標準はその摩擦を減らす。市場が「有資格」の基準線を共有していれば、意思決定はより速く、より低いリスクで進む。継続教育によって維持される厳格な評価は、採用を加速し、コンプライアンスを明確にし、プロフェッショナルが組織をまたいでキャリアを築くことを可能にするインフラになる。

標準は、いずれにせよ生まれる

市場は、専門職団体が「標準を定義することが使命に合うか」を決めるのを待たない。標準はすでに作られている。ただし、中立的に作るべき立場の機関によってではない。

こうした光景はよくある。候補者は3人、資格はそれぞれ別のプラットフォームのものが3種類。互換性があるのか比較する術がない。人事は各資格の意味を解読するのに時間を費やし、結局は面接の出来に戻ってしまう。

標準が分断されるとこうなる。ベンダーは自社製品にひも付けて認定を設計する。テック企業はエコシステム支配のために独自のシグナルを作る。雇用主は当座の課題を解決する社内基準を作るが、外部には通用しない。誰もが資格を作る一方で、「持ち運べる信頼」を作っている者はいない。

その間も、何十年も標準設定の経験を持つ専門職団体は、隣接領域への拡張がミッションの逸脱に当たるのかを議論している。そうではない。いま標準を担うとは、こういうことなのだ。

専門職団体の立ち位置は異なる

専門職団体について、こうした議論のなかで見落とされがちな点がある。彼らは特定の雇用主、ベンダー、プラットフォームのいずれかに肩入れしていないということだ。だからこそ、本来は競合関係にある人々を集め、営業部門が売りたいものではなく、仕事が要請するものに基づいて期待値を定義できる。

その中立性によって、標準は職種、組織、技術を越えて通用する。ただし、立ち位置だけでは不十分だ。専門職団体は、自らのプロフェッショナル育成の道筋が、単なる会員資格のしるしではなく、雇用主や規制当局にとって信頼できるシグナルとして機能するよう保証しなければならない。

「修了」から「能力」へ

多くの専門能力開発プログラムは、異なる環境のために作られ、外部での有用性より参加を優先してきた。市場で重みを持つ能力シグナルは、次のような実務的な問いに答える。

• 明確な標準に照らして能力が評価されたか? 市場は、出席で得られるプログラムと、力量の実証を要するプログラムを区別する。

• 評価結果は容易に検証できるか? 検証のために会員向けポータルをたどったり、営業時間内に電話したりしなければならないなら、そのシグナルの有用性は落ちる。

• 実務の進化に伴って、シグナルは意味を保てるか? 変化の速い領域では、固定的な資格はすぐに価値が劣化する。更新にひも付いた継続学習があれば、信頼を手放すことなく標準を適応させられる。

データアナリスト職の候補者2人の違いを考えてみよう。1人はオンライン修了証を取得した。チュートリアル動画、自動採点の演習、修了バッジ、更新要件なし。もう1人は専門職団体の認定を取得しており、ケーススタディを伴う監督下試験、同業者が査読するポートフォリオ、2年ごとに30時間の継続教育によって能力の実証を求められる。どちらも専門能力開発プログラムを修了している。しかし、検証可能な確信を与えるのは一方だけだ。

目標はプログラムを増やすことではない。シグナルを明確にすることだ。言うのは簡単だが、作るのは難しい。そして多くの専門職団体は、それに何が必要かをまだ直視できていないように思う。

権威には限界がある

正当な専門性を越えて手を広げれば、標準がないよりも速く信頼を損なう。意思決定の遅いガバナンスは標準を陳腐化させる。質の低い評価は、信頼性を築くどころか壊す。

機会は無差別な拡張ではなく、規律ある集中にある。専門職団体は、自らの権威が及ぶ範囲を明確にし、組織の収益のためではなく、会員のキャリアの可搬性に資する道筋を設計しなければならない。

ここには戦略的な緊張が生まれる。参加重視のプログラムは参入障壁が低く、収益を生みやすい。市場重視のプログラムは、評価設計への投資、定期的な更新、そして一部の会員がまだ満たせない標準を要する。

専門職団体の経営者は、私との会話のなかで一貫して同じ懸念を口にする。「標準を変えたら会員が反発しないか?」反発は起こり得る。私はそれを見てきた。私は国内最大級の資格認定機関の1つで何年も働いた。しかし抵抗の対象は厳格さそのものではない。変化である。ある期待値のもとでキャリアを築いた会員は、業界がいま求めるものを反映して標準が変わると反発する。声高な反発は、現行の定義から利益を得ている人々から出やすい。そしてそうした人々は、たいてい、あなたが本来支援すべき会員ではない。

戦略的な意思決定

専門職団体にとって標準の担い手であることは新しい役割ではない。新しいのは、その役割が機能しなければならない環境である。かつて信頼性は、安定した境界と限られた選択肢のなかでゆっくり蓄積された。いまやそれはオープンな市場で競争にさらされ、より速いが弱いシグナルに挑まれ、旧来の定義に収まらない職務領域にまたがって試され、即時の確信を必要とする雇用主から厳しく見られている。

専門能力開発の道筋は、もはや周辺的な会員サービスではない。専門職団体が自らの標準が、依然として妥当で、検証可能で、実務に根差していることを証明する手段である。

次の戦略的意思決定は、これらの取り組みを拡大するかどうかではない。それが会員のキャリアを前進させる設計になっているのか、それとも会員維持のためにあるだけなのか、という点だ。前者にはより大きな投資が必要だが、雇用主が実際に信頼するプログラムも生み出す。

市場での信頼性に向けた道筋を構築する専門職団体は、会員の長期的利益に資する。歴史的な地位だけに頼る団体は、認知は維持できるかもしれないが、履歴書では見栄えがしても扉を開かないプログラムを提供するリスクを負う。

それがどれほど持続可能か、私には分からない。ただ、分かっていることがある。市場は何らかの形でシグナルを手に入れる。専門職団体は、そのシグナルがプロフェッショナルに奉仕する立場の機関から生まれるのか、それとも自分たちに奉仕する立場のベンダーから生まれるのかを選べるのだ。

forbes.com 原文

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