働き方

2026.02.26 09:15

「つながらない権利」を阻む管理職の二重負担 部長職の9割が時間外連絡を常態化

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「つながらない権利」をめぐる議論は、どこか個人の選択の問題として語られがちだ。意識が高ければ通知をオフにできる、意思が強ければ返信しなければいい——。だがデータが示す実態は、そう単純ではない。

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4月の労働基準法改正を前に、人材サービスのマイナビが2025年に転職した20〜50代の正社員と企業の人事担当者を対象に調査を実施した。そこから浮かび上がるのは、管理職というポジションそのものが時間外連絡を生み出しているという実態だ。

部長職の9割超が送るも受けるも時間外

勤務時間外に業務連絡が「くることがある」正社員は70.0%。だが役職別に見ると、数字の意味が変わってくる。部長職90.3%、課長職89.8%、係長・主任85.7%に対し、非管理職は55.5%と大きく下がる。管理職になるほど、時間外連絡が例外ではなく常態になっている。

さらに注目すべきは、連絡をする側でも同じ構図が成立していることだ。部長クラスの91.7%が時間外に連絡をしており、非管理職(54.8%)の倍近くにのぼる。つまり管理職は、上司からも部下からも連絡が来る立場でありながら、自らも上下両方へ連絡を発信しているということだ。

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「緊急性が高ければ時間外でもフレキシブルに対応すべき」(50代・男性)という意識が組織に広く共有されている限り、個人が「つながらない権利」を行使しようとしても、なかなか踏み出しにくいだろう。

企業の4割超がガイドライン未着手

企業側の動きは鈍い。「つながらない権利」に関するガイドラインの策定状況を人事担当者に尋ねると、41.8%が「未着手」と回答した。上場企業(33.4%)と未上場企業(48.8%)の差は15ポイント以上と、対応の格差も生じている。

マイナビキャリアリサーチラボ主任研究員の関根貴広氏は「『緊急度の定義』や翌営業日対応を原則とする『返信の期待ルール』を明確化し、必要な連絡を適切なタイミング・手段で行うための合意と仕組みを整えることが現実的かつ有効だ」と指摘する。

「つながらない権利」を個人の意識改革のみに委ねるのではなく、組織として判断基準を制定することが必要になってくるだろう。

【調査概要】
調査期間:個人・2025年12月16日〜25日、企業・2025年12月17日〜22日
調査対象:個人・正社員として働く20〜50代のうち2025年に転職した男女(1446人)、企業・従業員数3名以上の企業で2025年に中途採用業務を担当した人事担当者(1500人) 

プレスリリース

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