北米

2026.02.23 14:00

エプスタイン文書で発覚、「名画」を駆使した米富豪コレクターの錬金術

レオン・ブラック、写真左(ndrew Toth/Getty Images for The Museum of Modern Art)

レオン・ブラック、写真左(ndrew Toth/Getty Images for The Museum of Modern Art)

米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントの共同創業者、レオン・ブラックはいかにして、数十億ドル規模のアートコレクションを築いてきたのか。2026年1月30日に追加で公開された「エプスタイン文書」は、ブラックがそのコレクションを通じて自らの富を拡大してきた方法を明らかにしている。

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美術館に展示されるべき価値のある傑作を長年にわたり買いあさってきたブラックは、「稀代のコレクターのひとり」とされてきた。だが、児童に対する性的暴行などの容疑で有罪判決を受け、勾留中に死去した米富豪ジェフリー・エプスタインとの長きにわたる親密な関係が明らかにされるなか、その評判は地に落ちた。

税務・財務顧問料としておよそ6年間、エプスタインに1億7000万ドルという法外な額を支払っていたブラックは、自ら立ち上げたアポロのCEOを2021年3月に退任。その数日後には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の理事長職からも退いた。

暴かれた巧妙な戦略

追加で公開されたエプスタイン文書が明らかにしたのは、エプスタインがいかにブラックのアートコレクションを複雑な金融商品に変える手助けをしてきたかということだ。ピカソやセザンヌ、モネの作品からなるブラックのコレクションは、単に彼の個人的な情熱によるものではなく、それを担保に巨額の融資を受けられるようにするため、体系的に構成され、査定を受け、活用されてきた。

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エプスタインはコレクションの体系化と管理に協力し、現金化しにくい絵画を担保に変えることで、ブラックが数億ドルの現金を手に入れることを可能にしていた。エプスタイン文書のうち「Art Partnership Inventory(アート関連協力先一覧)」と題された資料によると、ブラックが管理する団体は2014年の時点で、10億ドル相当の作品を担保にバンク・オブ・アメリカから融資を受けていた。

また、そこに記載されている作品の多くを含む別の資料、「Collateral(担保)」によると、ブラックが担保にしていた作品の価値は、2017年には14億ドルに上昇していた。

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編集=木内涼子

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