エプスタイン文書に含まれる別の資料によると、ブラックは2014年の時点で、(他者と共同所有する作品を含めた)2350万ドル相当の作品をMoMAに寄贈すると約束していた。そのほか2018年には、MoMAのフィルムセンター創設のために現金4000万ドルを寄付。同センターはその名称に、ブラックと妻デブラの名を冠している。そしてブラックは現在も、MoMAの理事の一人だ。
ニューヨークの最高の美術館を訪れる人は誰もが、その認識の有無にかかわらず、ブラックの影響力の一端に触れることになる。MoMAの5階にある展示室には、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーが1907年に制作した自画像が展示されている。ブラックが友人の富豪でアートコレクターのロン・ローダーとともに寄贈したものだ(2人は複数の作品を共同所有している)。
また、メトロポリタン美術館(The MET)が開催を予定しているラファエロの展覧会「Raphael: Sublime Poetry」では、2017年に2点合わせて9800万ドルと査定された素描、「Head of an Apostle」(使徒の頭部)と「Head of a Muse」(ミューズの頭部)が公開される可能性があるという。これらの所有者が現在もブラックであるかどうかは不明だが、The METはこの展覧会の開催を発表したプレスリリースで、「支援者」としてブラックをたたえている。
ブラックが所有する「傑作」
ブラックが巨額の融資を受けることを可能にした巨匠たちの傑作には、次の作品が含まれている(以下、画家・作品名の下に記した金額のうち、上段はブラックが支払った購入額、下段は2016年時点の評価額)。
ポール・セザンヌ《Le Château Noir》、1900年ごろ
ブラックの購入額:ブラックの購入額:1150万ドル
2016年時点の評価額:5000万ドル
*セザンヌは1900年から1906年の間に複数の《Le Château Noir》を完成させているが、ブラック所有の作品がそのうちのいずれか、フォーブスは本記事公開の時点で特定できていない。
カジミール・マレーヴィチ《Extended Plane (Plan en extension)》、1915年
ブラックの購入額:1550万ドル
2016年時点の評価額:5000万ドル


