自社株でも借り入れ
そのほかブラックは、1990年に共同で設立した投資会社アポロの株を担保にした借り入れも行っている。同社の2022年の委任状説明書によると、ブラックは標準的な信用取引ができる少なくとも一つのマージン口座に、保有する自社株のおよそ20%を担保として預託していた。だが、アポロによって裏付けられたブラックの借入額がいくらになるのか、その金額もまた、今のところ不明だ。
現在74歳のブラックの保有資産は、推定136億ドル(約2兆1000億円)。含まれるのは、66億ドル(約1兆200億円)相当の価値があるアート作品と現金、その他の投資資産。そして70億ドル(約1兆800億円)相当のアポロ株となっている。
アポロは2021年、ブラックのCEO退任前に多国籍法律事務所デシャート(Dechert)が作成したレポートを公表した。それによると、ブラックは2012年から2017年の間に、税務、相続・事業承継、資産計画に関する顧問料として、エプスタインに約1億5800万ドルを支払っていた。こうしたサービスの報酬としては、特にトップクラスの専門知識にアクセス可能なウォールストリートの関係者が支払う顧問料としては、莫大な金額だ。
上院の調査対象に
ブラックのアートコレクションとその不透明な構造、それを管理する上でのエプスタインの役割は、以前にも精査の対象となっていた。(ブラックによる不正行為は一切ないとした)上述のデシャートのレポートは、エプスタインは通常の税務関連の問題にとどまることなく、ブラックが個人として所有する中でも最も価値の高いもの(アート作品など)に関するアドバイスを提供していたと説明している。
そのレポートによると、エプスタインはブラックが保有する資産の価値を維持し、守り、あるいは最大化するための取り決めに関与していた。だが、米上院財政委員会の委員長を務めるロン・ワイデン上院議員(民主党、オレゴン州選出)は2022年、エプスタインが課税逃れのための積極的な戦略を手助けしていた可能性があるとして、新たな調査を開始した。
一方、ブラックは長年、自らのコレクションを通じてMoMAをはじめとする主要な美術館との関係を深めてきた。2018年以降、エプスタイン問題で批判を浴び退任することになった2021年まで、MoMAの理事長を務めていた。


