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2026.02.19 18:00

「一緒にいて楽な人」であることには負の側面も、3つの心理的代償を心理学者が解説

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代償その3:「一緒にいて楽」だが「理解しにくい人」になる

最後に、あまりにおおらかでいると関係の深さが損なわれる。協調性が高いと、あなたは安全で心地よく、脅威のない存在として他の人の目に映る。しかし人があなたについて「理解できる」と感じるには、あなたのモチベーションや困難、苛立ち、興奮の源を知る必要がある。それがなければ、関係はスムーズでつながっているようだが、双方の心の打ち解けが欠如した擬似的な親密さになる。 これは結局、自分を編集することになる関係性の典型的な結果だ。

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心理的な近さは、調和よりも繰り返し内面にアクセスすることによって築かれる。たとえSNSのような一方的な関係でも、人は相手の普通の自己開示に触れ、そうした自己開示が適切なものに感じると、その相手に対して親しみや感情的な近さを覚えるという。そこには理解できるという感覚がある。

皮肉なことに、「一緒にいて楽」と感じさせるあなたの特性は、他の人があなたに対して深い愛着を形成するのを難しくする。愛着は内面の状態が十分に可視化され、調整や反応、感情の読み取りが必要となる瞬間を通じて形成されるからだ。人の内面を追跡できるとやがて心理的に存在している実感が湧く。

想像しにくいかもしれないが、あなたに心理的な余裕がないとき、他の人はあなたに合わせる必要はない。あなたに対して誰も合わせないなら、あなたは自分の関係の中でさえ心理的に重要でないままだ。

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重い代償を払わないためには

目標は、扱いにくくなることでも、対立的になることでも、頑なになることでもない。心理的な健康は、無意識の迎合を意図的な応答性に置き換えることにある。これは柔軟であることをデフォルトではなく意図的な選択に変えることを意味する。そのために必要なのは次の3つの小さくも強力な転換だ。

1. 反射から内省へ:同意する前に一瞬立ち止まり、「ここで自分は本当は何を望んでいるのか」と問う。簡単な答えでも優しい答えでもなく、真実を探す

2. 調和から誠実さへ:些細な好みや軽い不快感をリスクの低い状況で表現してみる。これにより、あなたの感情的な存在感への耐性を自分や他人の中に育てる

3. 好かれることから理解されることへ:心地よい存在であるだけでなく、理解される存在を目指す。広く好かれることよりも、理解されることの方が心理的には栄養になる

一緒にいて楽な人であることは美しい対人スキルだ。だがそれが選択ではなくアイデンティティになると、その代償は自分が内面で支払うことが多い。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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