カメラを専門に手がける国内企業Orbbecが、ロボット市場の拡大で恩恵を受けるとの指摘
中国のロボット市場の拡大の恩恵を最も受けやすい立場にあるのがOrbbecだと、武漢に拠点を置く天风证券(Tianfeng Securities)のアナリスト、Zhou Xinyuは指摘する。複雑なロボット向けにRGBD(赤・緑・青・奥行き)カメラを専門に手がける国内企業はOrbbecだけだからだという。深センのRoboSense Technologyや上海のHesai Technologyといった国内のセンサー分野の競合は、主に自動運転車向けのLiDARセンサーに注力しているとZhouは説明する。
米国のRealSenseを最大の競合として意識し、世界の主要なメーカーを顧客として確保
フアンがセンサー分野で最大の競合として意識しているのは、カリフォルニアに本拠を置くRealSense(リアル・センス)だ。RealSenseは2025年7月に米半導体大手インテルから分離独立し、Orbbecと同様に3000社以上の顧客を抱えると主張している。RealSenseによると、顧客には中国有数の二足歩行ロボットメーカーUnitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)、韓国の現代自動車傘下でマサチューセッツ州に拠点を置くBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)、エヌビディアが出資するオレゴン州のAgility Robotics(アジリティ・ロボティクス)などが含まれる。RealSenseによると、自社の深度カメラが世界のAMRの60%、二足歩行ロボットの80%に組み込まれているという。
OrbbecはRealSenseの市場シェアの主張についてコメントを控えたものの、Orbbecのロボット製品ラインゼネラルマネジャーZhong Lenは、「当社は世界の主要な清掃・配送ロボットメーカーの4分の3超を顧客として確保している」と述べた。
同価格で競合より高い性能を主張、アフターサポートの充実で評価を獲得
フアンは、Orbbecの主力3Dカメラ「Gemini 435Le」は、深度精度や深度マップの完全性、エッジの鮮明さといった点で、RealSenseの主力モデルの1つ「D555」より30〜50%優れていると主張する。これらの性能は、ロボットが物体を認識し、距離を測り、回避動作をとるうえで重要だという。しかも価格は同じ499ドル(約8万円)だ。
RealSenseのマーケティング担当副社長マイク・ニールセンは、両社のカメラの性能は「同等と考えられる」と認めつつも、二足歩行ロボット分野での自社センサーの高い採用実績こそが優位性を示していると指摘する。
政府系の深セン先進技術研究院で知能設計・マシンビジョン研究室の責任者を務めるSong Zhanは、Orbbecのカメラが技術指標でRealSenseと肩を並べるのは、より多くの開発サイクルを経てきたからだと分析する。Orbbecはロボット向け3DカメラのラインアップもRealSenseより幅広いという。「RealSenseはモデル数が限られている。うまく合えばいいが、合わなければ選択肢は多くない」とSongは話している。
Orbbecの顧客は、同社製品が価格に見合った高い品質を備えていると評価している。X-Humanoidの研究委員会の主席であるZhang Qiangは、二足歩行ロボットメーカーが重視するのは、画質や動作の安定性、そして量産時の品質のばらつきの少なさだと説明する。「Orbbecのビジョンセンサーはコストパフォーマンスが高く、完成度も高い。アフターサポートも充実している」とZhangは語る。


