今回の衆院選の死票は2735万票とも言われます。この極端な「死票」の多さは、民意を正確に反映していると言えるでしょうか?
例えば、フランスの「2回投票制」は示唆に富んでいます。1回目で過半数に達しなければ上位者で決戦投票を行うこの仕組みは、少数政党の共食いを防ぎ、ダイナミック・ドラマティックな逆転劇を生みます。こうした「自分の一票が結果を左右する」という緊張感が、政治への高い関心を維持させているのです。
考察3:選挙と「カネ」━━ポピュリズムの防波堤はあるか
最後に、今後の大きな懸念は「資金の透明性」と「情報操作」です。 日本では、短期間に1.6億回再生されるようなSNS広告動画の財源に公費(税金)が投入された、とする観測もあり、今後の検証や資金の透明性確保が待たれるところですが、これは、資金も広告も自由、表現の自由を最優先、とするアメリカに近いモデルです。
対して、フランスやドイツなど欧州諸国は「規制で民主主義を守る」思想。企業献金の禁止はもちろん、選挙期間中のメディア露出(テレビ・ラジオ)は秒単位で各候補「均等」であることが求められます。AI技術やフェイクニュースが進化する今、日本が「金持ちほど有利」「声が大きいほど有利」なポピュリズムに飲み込まれないための防波堤をどこに築くのか、議論は急務です。
主権者として「仕組み」を疑う
「大使館職員が飛行機で運ぶ1票」は、日本の真面目さの象徴かもしれませんが、裏を返せば、変化を拒んできた証拠でもあります。
在外邦人としての筆者の体験は、単なる「手続きの不便」ではありません。日本が、多様な生き方をする国民の声を拾い上げる意思があるのかを問うリトマス試験紙だと感じています。私たちは、選ばれる政策だけでなく、選ぶための「制度そのもの」に対しても、もっと主体的に監視と発言を強めていく必要があるのではないでしょうか。
(参考)在外邦人の選挙権の改善についての運動はこちらをご確認ください。


