考察1:投票率2%の絶望と、欧州の「当たり前」
今回の衆院選、在外投票者数は過去最多を記録したものの、実質的な投票率はわずか2%超(在外邦人数130万人((うち有権者数約105万人))に対して投票数3万弱)に留まりました。「20%」の打ち間違いではありません。
対するフランスをはじめとする欧州諸国では、国政選挙の投票率が70%を超えることは珍しくありません。これは国民の意識だけでなく、「投票のしやすさ」という環境の差にあります。
全国的にオンライン投票を実現しているエストニアはもとより、フランスでは、在外投票に関して、領事館での直接投票(現地開票)に加え、代理投票、郵便投票、そしてインターネット投票(暗号化保存・開票時に監視委員立会いのもと電子集計)が認められています。ニュージーランドも、オンラインでの在外投票(投票用紙のダウンロード・メール送信で投票)を導入しているほか、国内と国外を同じ締切日にすることで、投票環境の公正さの担保を重視しており、正式な結果発表は1週間後とすることで対応しています。
一方、国内の投票率も民主党が政権交代を果たした2009年の69.3%を最後に、56.3%と低迷が続いています。
「不正を防ぐために厳格にする」日本と、「主権を行使させるために門戸を広げる」諸外国。この思想の差が、実質投票率2%という数字に現れています。注目すべきは、日本では「投票率を上げる仕組み」そのものが、ほとんど政策論争にならない点です。「投票率を上げる制度・仕組みを作るべき」という国民的議論があっても良いのではないでしょうか。
考察2:歪む議席と「死票」
低い投票率に加えて、投票結果と議席獲得率の歪みが顕在化したことも衝撃的でした。今回、自由民主党の得票率は36%(有権者全体の約20%)に対して、議席獲得率は71%(330/465)と圧倒的で、自民党もびっくり、「14議席を他党に明け渡す」という異例の事態になりました。数合わせで配分するくらいなら、もうそこは次回まで空席で良くない?とも感じたところです。


