上記の、在外邦人の気力を奪うような構造に、在外郵便投票の絶対数も右肩下がり、令和6年の実績はわずか246票。在外邦人は130万人以上いますが、世界中でたったの246人しか在外郵便投票をしていない・できていない、という点に、コラムを書いている今現在も、何かの間違いであってほしい、疲れ目かな、24万6千人の見間違いかな、などと何度も目を擦っている次第です。
最後の手段として、在外選挙人証を持参して日本(または東アジア周辺の大使館)に飛べば間に合う可能性がある、という助言を大使館の方からいただくものの、投じる1票・意思表示と天秤にかけた結果、断念せざるを得ませんでした。
在外投票については、在外公館が遠い(そもそも在外公館がない国も多数)、投票期間が短い(今回のフランスでは5日間、体調を崩したり旅行に出ていたらアウト、候補者・政策を調べる時間もない)、手続きが煩雑で高コスト、等多々のハードルがあります。これらに加えて今回浮き彫りになったのは、日本国内では本人確認をしておらず、代理提出や組織的な投票等があり得るとも推察される反面、在外公館では、パスポート持参など極めて厳格な事務手続きを経ていた点です。
どちらが良いか、というよりも、一票の重み・人権の公正さ、などの観点で疑問を感じたのが正直な感想です。実際に、選挙後においても、国内投票において投票数の不整合(自治体によっては3桁を超えるずれ)が発生してしまっています。
日本でも洋上投票はFAXで対応されているので、FAXが良いかはさておき、技術的な進化が進んでいる現在においては、在外投票におけるハードルやコストを下げる方法や不正・なりすましを抑制する代替手段は多数存在するものと思います。
筆者個人として、もっと早く手際良く動けたのでは、とか、情報収集できていなかった、など反省点もあります。ここでは上記の体験を踏まえ、日本の選挙制度について、フランスや諸外国の選挙制度・実態も交えながら3点、考察してみたいと思います。


