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2026.02.15 08:00

銀価格、10%以上の下落が年初来3回目に──2008年の記録に並ぶ

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銀価格の直近の急落は、金融危機以来見られなかった珍しい節目となった。これは取引がどれほど過密になっているかを浮き彫りにしている。こうした乱高下の後でも、銀は2026年、主要株価指数を上回っている。

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銀にとってさえ、これは異常な事態だ。

銀ETFの価格が今年3回目となる10%以上の急落──2008年の金融危機時の記録に並ぶ

iShares Silver Trust(SLV。iシェアーズ シルバー・トラスト)は、運用資産449億ドル(約6.8兆円。1ドル=152円換算)という世界最大級の銀ETF(上場投資信託)だ。そのSLVが、米国時間12日に11%急落した。2026年に入って、1日で10%以上下落したのはこれで3度目だ。2006年の取引開始以来、1年間でこうした下落が起きたのは2008年のただ1度だけだが、2026年はまだ2月の時点で、すでにその記録に並んだことになる。

銀取引の「3つの要素」と、投機的な動き

この1年間で、銀への投資は3つの要素が絡み合う取引へと変貌した。一部買い手はドルの価値が目減りするとの見立てで参入し、巨額の財政赤字と根強いインフレが現金の購買力を蝕み続けることに賭けた。別の投資家はトレンドを追って参入し、上昇を続ける価格チャートに乗り、その勢いがさらに新たな資金を呼び込んだ。そして最後の1つが“ミーム株”的な要素である。トレーダーたちはこの光る金属を長期的なヘッジ(リスク回避手段)としてではなく、次の注目テーマに乗るための流動性の高い手段として扱っている。

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銀の取引は十分に報われてきた。今年すでに1日で10%以上の下落を3回経験しているにもかかわらず、銀ETFは過去12カ月で130%上昇している。この規模の上昇は投機的な短期資金を引き寄せやすく、それら資金は長くじっとしていない。

JPモルガンの元ストラテジスト、銀をめぐる投機的資金の移動先として、韓国株ETFの価格を警告

JPモルガンの元ストラテジスト、マルコ・コラノビッチは、米国時間2月12日の米国市場が開く前にX(旧Twitter)への投稿で、次の注目テーマはすでに現れていると警告した。

コラノビッチは「韓国株ETFのEWYは、新たな銀(SLV)だ。近く来る下落に警戒せよ」と投稿している。

“EWY”はiShares MSCI South Korea ETF(iシェアーズ MSCI 韓国ETF)を指し、資産規模は129億ドル(約2兆円)である。テクノロジー輸出企業や半導体関連銘柄に重点的に投資しており、メモリー大手のサムスン電子やSKハイニックスを含む。AI関連支出が依然として市場の熱狂を牽引する中、半導体サプライチェーン(供給網)に関連するあらゆる銘柄が急速に動いており、この韓国ETFは2026年にすでに34.5%の上昇を記録している。

主要指数を上回る銀ETF、2026年も順風満帆な展開は期待薄の可能性

激しい値動きにもかかわらず、銀は意外にも今年、主要指数を上回っている。iSharesの銀ETFは5%上昇しているのに対し、S&P 500は横ばい、ダウ工業株30種平均は3%の上昇にとどまっている。だが2026年がすでに示しているように、順風満帆な展開は期待しないほうがよい。安定した値動きは、もとより銀の持ち味ではないのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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