テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)である億万長者のイーロン・マスクは、長年にわたりビットコインと暗号資産市場をもてあそんできた(同時に米ドルの終焉も予言している)。
マスクは、新型コロナ後のブームと崩壊を経て、ビットコインと暗号資産の投機の最前線からは一歩退いた。しかし2024年、ドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウス復帰と時期を同じくしたビットコイン価格の高騰では、火に油を注いだ。
そして今、さらに急激なビットコイン価格の暴落が間近に迫っているという懸念が渦巻くなか、マスクはコロナ禍当時の計画である「ドージコインを月に送る」構想をひそかに復活させた。
先週、マスクは「文字どおりのドージコインを文字どおり月に送る」とした2021年の約束に対する憶測を再燃させた。コロナ禍でこの技術を推奨して以降、ビットコインや暗号資産から距離を置いてきたにもかかわらず、である。
テスラのファンアカウントへの返信で、マスクは「おそらく来年」と述べた。ただし、この最新の介入でもドージコイン価格は押し上げられなかった。かつてはマスクの言及ひとつで急騰したものだったが。
別のXユーザーが「月のドージは避けられないことだ」と投稿すると、マスクは「そうだ」と返した。
マスクによる今回のドージコイン支持は、スペースXとxAIを新たに合併させた企業体を通じ、月からAI衛星を打ち上げる計画を明らかにしたタイミングで出てきた。
ミームを基盤とするドージコインへのマスクの支持は2019年までさかのぼるが、ピークを迎えたのはコロナ禍のロックダウン期だった。マスクはドージコインを改良し、「地球の通貨」にすると約束していた。
ドージコインの価格は、ここ数カ月でビットコインと暗号資産市場全体の下落とともに値を下げているが、2023年の安値である約60セントをわずかに上回る水準を維持している。
暗号資産に関するマスクの公における発言はほとんど途絶えたものの、コミュニティにおいて彼は依然として突出した存在である。
彼が率いる自動車・エネルギー企業テスラはなお約8億ドル相当のビットコインを保有しており、今年予定されているスペースXの新規株式公開(IPO)は、同社の暗号資産保有状況を明らかにするきっかけとなる可能性がある。
ここ数カ月、マスクはエネルギーを基盤とする「脱ドル通貨」について曖昧に言及し、ひそかに暗号資産の支持層に接近してきた。
ビットコインは、強力なコンピューターを使って取引を検証し、その見返りとして新規発行されるビットコインを受け取る、いわゆるマイナー(採掘者)のネットワークによって安全性が確保されている。ビットコインは毎年、小国に匹敵する電力を消費しており、より多くのマイナーがネットワークに参加するにつれて、そのエネルギー需要は価格とともに増大する。
「太陽光発電からロボット製造、チップ製造、AIに至るループが閉じれば、従来の通貨はただ邪魔になるだけだ。重要なのはドルではなく、ワット数とトン数だけになる」とマスクはXに投稿している。



