経済

2026.03.06 10:15

日本人の雇用に影を落とした「会社は株主のもの」という呪縛

Getty Images

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日本人の平均年収はこの30年間、ほぼ増えていない。労働者全体に占める非正規雇用は4割に迫り、少子化は止まらない。これらは別々の問題に見えて、根っこはひとつにつながっている。

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シリコンバレーで全米屈指のベンチャーキャピタリストとなり、各国政府の顧問を歴任してきた事業家・原丈人氏は、「会社は株主のもの」という前提が日本社会にもたらした歪みを指摘する。原氏の著書『THE BEST WORK 「最高の仕事」を生きる』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。


非正規社員が増えて得する人、損する人

「会社は株主のもの」という考え方を根本に据えたアメリカ流の株主資本主義は、世の中に役立つ有用な企業を崩壊に導くだけではなく、格差を広げ、社会そのものを不安定にしてきた。

なかでも日本の現況は悲惨だ。

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財務省「法人企業統計調査」によると、日本人の平均年収は約378万円。1994年から30年間増えていない。その間、物価は上昇し、実質賃金は10%下落。経済協力開発機構(OECD)の平均年収より1万ドル以上も低く、G7では最下位になってしまった。

非正規雇用が増えているため、賃金の格差は広がり、40代の非正規の男性の8割近くが結婚していない。これが日本の少子化問題の核心部分で、原因をつくったのは株主資本主義だ。

次ページ > 「会社は株主のもの」の考えを社会に浸透させた結果

文=原丈人/アライアンス・フォーラム財団 会長

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