投資会社の銘柄選定会議に潜入。新人アナリストの「富士急行」推しに飛び出した「1000本ノック」の質問

ディスカウントを解消するカタリスト

紙崎:この状況を解消するカタリスト(きっかけ)は何かという点でいいますと、やはり政府が2030年に6000万人達成を掲げるインバウンド客の増加がカギになると思います。現在のところ、富士急ハイランドに来るお客さんのうち、インバウンド比率は1割強ですが、富士急ハイランド駅の隣の河口湖駅では約8割に達しています。これはほぼ富士山を見に来る人たちなわけですが、その一部でも富士急ハイランドに取り込むことができれば、ポテンシャルはかなり大きいと見ています。他にも新規アトラクションの導入も期待でき、さらなる集客が見込めますし、またIR開示をより積極的に行うことで、ディスカウントを解消するカタリストとなりえるんじゃないかと考えております。

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阿部:それは何が何に対してディスカウントと言ってるの?

紙崎:企業価値に対して株価が安い、ディスカウントされていると考えております。

阿部:企業価値というのは客観的なものじゃないと。本来、私はこうあるべきと考える価値よりも安い、と言われてもわからないじゃない。まあ、それは後で聞きます。

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紙崎:同業他社と比較しても安いですし……。

阿部:同業他社との比較ね。

紙崎:はい。富士急行の最大の強みは、バスや鉄道などでこれらの施設を一気通貫で結び「レジャー・サービス業×運輸業のパッケージ化」によって、付加価値を高めている点にあります。とくに富士山周辺には鉄道ではアクセスできないエリアが多く、同社の高速バスはほぼ唯一の交通手段として、高稼働率、高単価で提供できており、競争優位性がございます。バス事業の過去最高の売上はコロナ禍前の2019年ですが、今後、高速バスの増便・値上げなどによって中期的には、これを超えると予想しております。一方で富士急ハイランドもインバウンド客が牽引する形で成長していくことで、同社の現在の株価にはアップサイドがあると考えています。

このように富士急行全体として、非常に魅力的な会社で、さらにエンゲージメント余地もあるのではないかと考えております。

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text by Hidenori Ito

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