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2026.02.12 12:30

再エネ向けバッテリー需要拡大によるリチウム価格上昇の「第3の波」は継続するか

リチウムが使用されるバッテリーエネルギー貯蔵システム(Jan Woitas/picture alliance via Getty Images)

投資銀行大手のUBSによれば、航続距離への不安やリセールバリューの低さといった問題から消費者がEVを全面的に受け入れることに慎重であることを背景に、EV向けリチウム需要の年間成長率(ギガワット時ベース)は、2024年の22%から2026年には10%へと鈍化する見通しだ。

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その一方で、数年前まで控えめだったBESS向けの需要は、2024年に87%拡大し、2026年は60%成長すると予想されている。

『Here we go again, for the 3rd lithium price cycle(さあ再び、リチウム価格の第3サイクルへ)』と題されたUBSの報告書は、今回のリチウム復活をめぐる一連のレポートとしては最新のものである。

リチウム価格の回復スピードは、UBSが目標価格を大幅に引き上げざるを得なかったことからも明らかである。同社は炭酸リチウムの目標価格について、従来予想である1トンあたり1万6500ドル(約252万円)から、2万6000ドル(約397万円)へと引き上げた(現在の市場価格は1万9700ドルだ)。

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トリプル・パリティ

UBSは、EVがガソリン車とコスト、航続距離、充電時間の3点で肩を並べる「トリプル・パリティ」を達成する段階に近づいているとの楽観的な見方を示した。

同社はリチウムの全体需要が2026年に14%、2027年に16%増加すると見込んでおり、供給側の対応が本格化するまでは小幅な供給不足が続くと予想している。

投資家にとっての課題は、この第3の波がこれまでと同様に急速にしぼんでしまうのかどうかを見極めることだ。もしそうなれば、過去12カ月の価格急騰による上昇分はすぐに消えてなくなる可能性がある。

それとも、リチウムは「新奇な金属」という地位から成熟し、銅やアルミニウムのような、市場の厚みもある主要金属と肩を並べる存在へと進化したのだろうか。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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