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2026.02.14 16:15

バレンタインチョコ1粒436円の衝撃 2年連続で過去最高値を更新

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またこの季節がやってきた。バレンタイン商戦である。最近は義理チョコから友チョコへと変化し、需要も見込まれているが、帝国データバンクの最新調査によると、2026年シーズンのバレンタインチョコレート1粒あたりの平均価格は436円に達した。これは前年比で4.3%の上昇であり、2年連続で過去最高値を更新する異例の事態となっている。かつての「手軽な贈り物」という立ち位置から、高級な贈り物へと変貌しつつあるかもしれない。

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価格の内訳を詳細に見ると、フランスやベルギーなどの人気ブランドを中心とした「輸入ブランド」は、1粒あたり前年より31円高い461円まで上昇。一方、比較的価格を抑えてきた「国内ブランド」も413円と大台を超え、過去最高値を記録している。ブランドの出自を問わず、一律に価格転嫁が進んでいる現状が浮き彫りとなった。

最近の値上げを主導しているのは、深刻なコスト増の連鎖だ。2024年に発生した記録的な不作による「カカオショック」はピークを越えつつあるものの、製造現場を苦しめているのは歴史的な円安と輸送コストの上昇である。さらに、健康志向で需要が拡大しているナッツ類などのトッピング食材や、包装用のアルミ箔、化粧箱といった資材費も軒並み高騰しており、企業努力による価格維持は限界に達している。

こうした厳しい環境下で、チョコレート業界は大きな転換期を迎えている。単なる値上げだけでなく、1パッケージあたりの個数を減らす「実質値上げ」や、カカオ豆の比率を抑えたチョコレート菓子のラインナップ拡充で凌ぐ動きが加速している。さらに、カカオを一切使わずに風味を再現した「カカオフリー・チョコレート」をはじめとする代替素材の活用も進んでいる。

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足元ではカカオ価格の下落が続いているものの、円安や原材料コスト高はまだ続くと見込まれるため、チョコレートの価格は高止まりするだろう。今後のチョコレート市場は、消費者の選択幅を広げる狙いで「価格を抑えた代替素材ライン」と「高級カカオにこだわる“本物志向”ライン」の二極化が進行する可能性もある。気軽に贈れて食べられるチョコレートが維持できるよう、業界の努力に期待したい。

出典:帝国データバンク「2026年『バレンタインチョコレート』価格調査」より

文=飯島範久

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