忍耐強いビルダーたち
ここには1つのパターンがある。筆者が以前、ビットコイン・マイナーのAIへの転換を扱った記事では、2013年創業のビットコインASICメーカーCanaan(カナン)について書いた。CanaanはAIホスティングへの転換を拒み続けている。10年以上スキャンダルなしで事業を続けてきた一方、アナリストのコンセンサスは「Strong Buy」(強気買い)であるにもかかわらず、ナスダックの上場廃止に直面している。同社は、電力網の柔軟運用と廃熱利用を通じて、マイニングそのものが不可欠なインフラになることに賭けている。
Golemは、分散型のレーンにおけるCanaanの鏡像だ。設立は1年遅いが、同じく10年にわたり構築を続け、市場からも同様に割り引いて評価され(トークンは過去最高値を大きく下回って取引されている)、派手な転換ではなく忍耐によってAI時代に新たな意味を見いだしつつある。
CoreWeaveがイーサリアム・マイナーから7年で「650億ドル(約9.9兆円)の寵児」になった一方で、こうした静かなビルダーたちは黙々と開発を続けてきた。Golemのような分散型物理インフラ・ネットワーク(DePIN)を含むDePINセクターは、過去1年で時価総額が270%成長し、300億〜500億ドル(約4.6兆円〜約7.7兆円)に達した。だが上昇は一様ではなく、長い実績と稼働する技術を持つプロジェクトが必ずしも報われてきたわけではない。
問われているのは、AI需要が十分に大きくなり、ロングテールのインフラ・プレイヤーにまで届くかどうかだ。データセンター契約650億ドル(約9.9兆円)という数字は、市場の上位が十分に満たされていることを示唆する。だが、マイルズの言う通り、4億台の遊休ゲーミングPCがAI推論のための未開拓の計算レイヤーであるなら、市場の下位も同じくらい重要になる可能性がある。
Canaanのレオ・ワンは最近筆者に、「すべてはエネルギーの勝負です。将来、エネルギーは誰にとってもより希少な資産になると私たちは考えています」と語った。その希少性は、グーグルが支援する100億ドル(約1.5兆円)規模のデータセンター・キャンパスから、ベルリンのゲーマーが夜間に数ドル(数百円)分の暗号資産トークンと引き換えにGPUを貸し出すケースに至るまで、AIインフラのスタック全体のあらゆる規模で現れつつある。


