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2026.02.11 10:00

新たなAIツールの発表で米金融株に売り広がる、税務サービスの自動化懸念

Spencer Platt/Getty Images

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「数分以内」にパーソナライズされた税務戦略を提示可能とするAI搭載型の税務プランニングツールが新たに発表されたことを受け、米国の資産運用サービス関連株が急落した。

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AIが投資顧問業・資産運用業のビジネスモデルを破壊との懸念から、関連株が下落

米国時間2月10日、チャールズ・シュワブ、レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル、LPLファイナンシャル・ホールディングスの株価はいずれも5%から10%の下落となった。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるニール・サイプスは、これらの下落について「AIが投資顧問業や資産運用業のビジネスモデルを破壊するのではないかという、より広範な懸念と結びついている」と指摘した。

上記の銘柄に加え、モルガン・スタンレー、アメリプライズ・ファイナンシャル、スタイフェル・ファイナンシャル、パイパー・サンドラー・カンパニーズなどの株価も下落している。

サイプスは、「競争によって効率性が失われること、手数料に対する長期的な圧力、そして潜在的な市場シェアの低下といった懸念に焦点が当てられている可能性が高い」と述べた。

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こうした下落は、AIがホワイトカラー向けサービス事業を脅かすとの広範な懸念の中で起きている。直近では、自動化に弱いと見なされた法律、会計、コンサルティング企業で売りが広がっていた。

米新興のアルトゥリスト、数分以内でパーソナライズされた税務戦略を作成できるAIツール発表

このAIツールは、米新興テック企業のアルトゥリスト(Altruist)が10日に発表したものだ。「フォーム1040(米国の連邦所得税申告書)、給与明細、口座明細、ミーティングノート、Eメール、カストディアルデータ、CRMデータなどを読み取り、解釈した上で、詳細な税務ロジックを適用し、完全にパーソナライズされた税務戦略を顧客向けに作成できるようにする」という。

アルトゥリストによれば、このツールは同社が開発したAIプラットフォーム「Hazel」内に構築されており、データを「数分以内」に解釈し、住宅を売却した場合や退職した場合の影響といった「仮定のシナリオ」を検討できるようになる。

インベストメントニュース・ドットコムによれば、すでに約5700人のユーザーがアルトゥリストのツールを利用しており、その中には、チャールズ・シュワブが同社のプラットフォームを変更したことをきっかけにアルトゥリストに移ってきたユーザーもいるという。

2018年に設立されたアルトゥリストは、独立系の登録投資顧問業者(RIA)向けにツールを提供しており、インベストメントニュース・ドットコムによれば、RIA向けプラットフォームとしては第3位の規模を誇る。アルトゥリストによれば、2025年に発表した同社のAIプラットフォームは「アドバイザリー企業の中核業務を自動化する」ものだという。

一部の個人向け仲介業者を破壊する可能性

「一部の個人向け仲介業者を破壊する可能性がありそうだ。だからこそ、今まさにここで株が売られているのだろう」と、ストック・トレーダー・ネットワークのチーフ・マーケット・ストラテジストであるデニス・ディックは、アルトゥリストの発表についてロイターに語っている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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