経済・社会

2026.02.09 17:15

大勝した高市首相 求められるトランプと習近平の考えを見抜く力

Grispb - stock.adobe.com

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8日投開票された総選挙で、高市早苗首相が率いる自民党が大勝した。高市氏は3月19日、米ホワイトハウスでトランプ大統領との首脳会談に臨む見通しだ。トランプ氏は4月の訪中を控え、米国家防衛戦略(NDS)などでうたった「米中がともに繁栄する世界」を構築したいと考えている。同時に、1月末に訪日したコルビー国防次官は日本に対し、「日本の防衛能力の迅速な強化」「地域での抑止力を実質的に強化する努力の緊急性」を訴えた。日本は米中の間で、どのような外交・防衛努力が求められているのだろうか。

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NDSはインド太平洋地域を「米国の経済的利益を守るための場所」と位置づけている。最大の脅威である中国に対しては、「対決ではなく力による抑止」を目指す。具体的には「第1列島線を中心にした拒否防衛体制の構築」をうたっている。

陸上自衛隊の陸上総隊司令官を務めた高田克樹元陸将は「拒否防衛体制」について、「完膚なきまでの勝利を追求するのではなく、相手(中国)が勝てないという状況をつくる。即ち、侵攻の成功確率を限りなく低下させることにより、相手(中国)が、自分も大きな傷を負うことになると認識し、攻撃を思いとどまらせるだけの防衛力を構築することだ」と指摘する。具体的には、自衛隊が開発を進めている「12式地対艦誘導弾能力向上型」など長距離打撃能力の整備、衛星コンステレーションなど情報収集・指揮統制システムの整備、ウクライナ戦争でその重要性が確認された無人兵器の整備などが課題になるという。

ただ、同時にNDSは米中の軍事衝突は望まない考えも示した。トランプ氏は4日、中国の習近平国家主席との電話会談で、「中国側の台湾問題に関する懸念を重視している」とも語った。トランプ氏は、高市氏の台湾有事に関連した国会答弁を機にした日中関係の悪化も快く思っていないようだ。外務省元幹部は「トランプ氏は、4月の米中首脳会談で貿易摩擦問題を解決し、11月の米中間選挙への弾みにしたい。高市首相の発言によって中国が興奮することは、自分のディールにとってマイナスになると映っているのだろう」と語る。

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文=牧野愛博

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