科学研究への資金提供について
アルトマンは、かつてほど多産な投資家ではなくなったものの、基礎科学への資金提供には依然として強いコミットメントを持っている。「もし魔法の杖を振って社会の富を再配分できるなら、私は科学研究への資金に膨大な額を投じる」と彼は言う。彼が特に強い情熱を抱くのは、ワクチン研究だ。新型コロナウイルスのパンデミックよりもはるか以前の2016年、彼は「致死的な合成ウイルス」が世界を終わらせる可能性があると予測していた。
「もっと早くワクチン研究に資金を投じておくべきだったと思う。ワクチンは、従来型の資本主義がうまく機能しない分野だ。ワクチン開発はあまり儲からない。また、AIが進展すれば、人々はそれらを使って新たな病原体を設計できるようになる。これに対するより良い答えは、ワクチンをより迅速に、より高度に開発できるようになること以外に思いつかない」
「AI科学者」プロジェクトについて
「私たちは、独自にイノベーションを起こせるシステムへと向かっている。これまで話してきた、自動化された研究者の構築がそれだ。これが何を意味するのかを、世界の大半はまだ理解していないと思う。1年で10年分、あるいは100年分の科学を進められるとしたら、あるいは、これまでにない効率で企業を運営できるとしたら、それが何を意味するのかを、世界はまだ消化できていない」
オープンAIは将来的に、AIが生み出した科学的発見を研究施設と共有し、さらに実験を進めるような体制を構築したいと考えているという。
スケーリングについて
アルトマンはスケーリング、しかも即座にスケールさせることを非常に重視しており、それをイノベーションの中核と見なしている。
「それは中核的な信念だ」と彼は語る。ただし、なぜそれが機能するのかについては、本人も完全には分かっていない。「多くの異なる分野でそれが当てはまることを観察してきたので、それを基本原理として受け入れている。なぜこれほど広く適用できるのかについて、いくつか仮説はあるが、どれも確信はない。正直、納得のいく核心的な説明はできない。ただ、説明はできないけれど、何度も同じパターンが現れるのを目にしてきただけだ」


