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2026.02.15 09:00

AIスキル格差広がる、ソロプレナーが追いつき「1人でチーム並みの成果」を出す方法

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取り込みながら学ぶ

アパレルを展開するPinkCove(ピンクコーブ)のオーナーでソロプレナーのアンバー・テイラーは、知能や野心の欠如からAIスキルの格差が生じるのではないとすぐに気づいたのだ。「私が学んだのは、重要なのはいかに学ぶかということ、そしてAIについて学んだこととAIそのものを日々の仕事にどれだけ早く取り込めるかということだ」とテイラーは話す。

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テイラーが見つけた戦略の1つは、果てしなく続く講座で身動きが取れなくなるのではなく、AIを現実の意思決定に直接組み込む方法を学ぶことだった。「理論を学ぶ代わりに、かつて時間を大量に消費していた具体的な作業、たとえば商品説明や顧客対応、コレクション計画などを選び、AIを統合しながらその作業を終わらせるようにした」とテイラーは語る。「完璧な準備も、理想的な手順もなく、ただ実践した。行動しながら学ぶとはそういうことだ」

テイラーが採用した2つ目の戦略は、AIをツールではなく若手のチームメンバーのように扱うことだ。「私が常に更新しているドキュメントが1つあり、そこにはブランドのトーンや顧客に関する最新情報、うまくいったこと、うまくいかなかったことなどが書いてある。AIのために書き留めていくことで意思決定は速くなり、出力もより適切になる」と付け加える。

AI導入と実装を支えるリソース

最も価値あるリソースは刺激的なコンテンツではなく、実装のためのツールだ。プレイブックはAIを反復可能な業務へ変える。たとえば顧客サポートや営業のフォロー、提案書、商品リスト、日々のマーケティングなどに使えるテンプレートを、正確さやブランドのイメージに沿っているか、そのまま出荷して問題ないかを確認するシンプルな評価習慣と組み合わせる。同様に重要なのがガードレールだ。「創業者は、消費者向けツールに絶対に入力してはいけないデータは何か、捏造された主張をどう防ぐか、そして人間による確認が絶対に必要なところはどこかを、明確に理解する必要がある」とルイフは言う。

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結果に直結するツールも導入を加速させる。ウェブサイト構築やプロ品質の商品画像作成、アイデア検証、マーケティングキャンペーンの運用などは、代理店や多額の初期費用なしでも実行できる。

創業1年目の導入戦略

AIとビジネス拡大の専門家で、Advisory 9の創業者でもあるレベッカ・ホイットニーは、創業者は1年目に投資するAIツールを1つの大規模言語モデル(LLM)に絞るべきだと主張する。たとえばChatGPTやGeminiだ。

ホイットニーは「それを思考のパートナーとして使ってマーケティングや財務といった領域の弱点を補う。そうすれば精神的なタスクを手放せるため、新しいソフトのトラブル対応に追われるのではなく、売上に集中し続けられる」と話す。「『AIを学べ』というストーリーは、ソロプレナーが数々の複雑なツールをそろえたり、スキルアップしたりしなければならないかのように聞こえることが多い。現実には創業1年目のビジネスは脆く、ツールや技術知識を増やすより勢いを保つ方が利益になる」

技術ではなくシステムを構築

多くの創業者は、実際には問題の本質が明確さの欠如であるときに、自分が「技術の問題」を抱えていると思い込む。たとえば創業者が「CRM(顧客関係管理)が必要だ」と言う場合、それは実際には「見込み客を追跡できていない」という意味かもしれない。ホイットニーは「AIファーストの考え方は、最終的にAIがシステムを支援したり自動化したりできると想定するが、その前にまず機能する手動のプロセスを確立することが重要だ」と言う。「多くの場合、追加のソフトに投資する前に、単純なスプレッドシートで十分だ」

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翻訳=溝口慈子

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