ドルが世界の基軸通貨である状態の終わりは近い?
一方で、最近の動き──たとえば2025年に米ドルが米ドル指数(U.S. Dollar Index)で約10%下落したこと──は、ドルが世界の基軸通貨である状態の終わりが差し迫っていることを意味するとする見方もある。
ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridgewater Associates)創業者の著名投資家レイ・ダリオは先月、米ドルの最近の弱さは、長年予測してきた「世界の基軸通貨としてのドルの崩壊」が「今まさに起きている」ことを示すと警告した。米国とドルが支配する時代が終わり、新たに中国主導のサイクルへ移行しつつあるという。
「既存の法定通貨(フィアット)による通貨秩序、国内の政治秩序、国際的な地政学秩序がいずれも崩れつつあります。ですから、私たちは戦争の瀬戸際にいるのです」とダリオは述べた。
今週初めには、中国の習近平国家主席が、人民元を世界の基軸通貨にするよう呼びかけた。フィナンシャル・タイムズ(FT)はこれを、「中国の通貨に関する野心について、同氏の発言としては最も明確なものの1つ」と表現した。
「北京は人民元を本格的な国際通貨にしたいのです。必ずしも一夜にしてドルを置き換えるという意味ではありませんが、分断が進む金融秩序の中で、米国の影響力を抑える戦略的なカウンターウェイト(対抗軸)にしたいのです」と、コンサルティング会社The Asia Groupの中国カントリー・ディレクター、ハン・シェン・リンはFTに語った。
強気なビットコイン投資家たちは?
過去1年、金がビットコインを大きく引き離したにもかかわらず、強気のビットコイン投資家は、最終的にはビットコインが金に勝るという見方を崩していない。
「各国は……中国のように、米財務長官の判断1つで凍結されうる資産に、国家として何世代もかけて蓄えた富を預けておくのは途方もなく愚かだと気づくでしょう。それは狂気の沙汰です。ビットコインを買う方がはるかに賢いのです」と、パンテラ・キャピタルCEOのダン・モアヘッドは今週、Coindeskが報じたコメントで述べた。モアヘッドは、米国の同盟国と敵対国の双方が、供給量に上限のあるビットコインを競って確保しようとする「世界的な軍拡競争」が起きると予測した。
「紙幣は毎年3%ずつ価値が目減りしています。それが『安定したお金』と呼ばれているものなのです」とモアヘッドは述べる。「これでは一生涯かけて積み立てても、その価値の9割は消えてしまう計算です。だから、金やビットコインのように供給量が固定されたものに投資するのは、まったく合理的なのです」。


