ロシアは「ポチョムキン村」で知られる。これは、貧困にあえぐ地域を皇帝が視察する際、すべてうまくいっているように見せかけるためにつくられた偽の集落のことだ。
UVZの公式テレグラムチャンネルは、かつては戦車が生産される様子やT-90Mが鉄道車両で出荷される際の画像を掲載していた。しかし現在の投稿は、創業90周年、第二次世界大戦期の功績、高名な技術者の訃報、南極での自社製装軌車両の活躍、架橋戦車などに関するものが占める。すべて順調であるかのような内容になっているが、肝心の戦車生産についてはほとんど触れられていない。
一部の情報筋によれば、UVZは現在も戦車の出荷を続けているものの、公表はしていないのだという。だが2025年12月に何カ月ぶりかに行われた1回の引き渡しだけを公開(その映像で確認できたT-90Mはわずか4両だった)し、ほかの引き渡しについてはいっさい非公表にするというのは不自然に思える。
ロシアのプロパガンダチャンネルは、訓練場や展示会、あるいは国境地帯で撮影されたT-90Mの画像を時おり公開している。しかし注目に値するのは、そこに見えるのはたいてい戦車1両だけなことだ。中隊規模の部隊が写っている例は見当たらない。ロシアは少数の散らばった車両を、あたかも大量に存在するかのように見せかけているように感じられる。戦闘地域で確認されている車両は、ドローン(無人機)から身を守る必死の試みとしてヤマアラシのトゲのような追加装甲で覆われている。
Footage of a Russian T-90M 'Model 2024' at a Training Ground - 22nd October 2025
— Wilson (@WillKnowler) December 5, 2025
Source - https://t.co/3p2wrmemQd pic.twitter.com/kn8v5I15t2
新造のT-90Mは前線にはほとんど姿を見せていないようだ。この戦争での装備の損害を記録しているデータベース「Warspotting」によると、T-90M は1月に1両も失われておらず、前月の損失も1両だけ(ほかの戦車が29両)だった。
一部で主張されているように、どこかにまとまった数のT-90Mが隠されている可能性もあるが、これに対してはきわめて懐疑的な向きもある。UVZは、サプライヤーや従業員、制裁に関する問題を抱えながらも、実際に高いペースでT-90Mを生産しているのかもしれない。だとすれば、人員も、使える機械も減るなかで戦車を増産するという、不可能に思える偉業を成し遂げていることになる。一方で、財務面を含め、いまだ公になっていない、さらに深刻な問題が存在する可能性もある。
いずれにせよ、UVZにはトラブルの兆候が見え、それはロシアが新しい戦車の大量生産に苦戦していることを示している。


