北米

2026.02.07 17:00

ジェフリー・エプスタインの「謎めいたテック人脈」と不可解な投資遍歴

ジェフリー・エプスタイン(Photo by Rick Friedman/Rick Friedman Photography/Corbis via Getty Images)

ジェフリー・エプスタイン(Photo by Rick Friedman/Rick Friedman Photography/Corbis via Getty Images)

未成年者を含む性的人身売買で有罪判決を受けた金融業者、ジェフリー・エプスタイン。彼は、ピーター・ティールなどテック界のビリオネアとの関係を通じて、数多くの有望なテクノロジー投資案件にアクセスできる立場にあったようだ。ただし、米司法省(DOJ)が新たに公開した電子メールの記録によれば、彼は結果的に、数億ドル(数百億円)規模の利益を得られた可能性のある、複数の主要スタートアップとの取引から手を引いていた。

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「シリコンバレーには友人がたくさんいる」と豪語、一方投資成果は乏しかった

ジェフリー・エプスタインは2010年、著名なベンチャーキャピタルへの投資について助言を求める知人からメールを受け取っていた。当時のエプスタインには、その世界への足がかりがなかった。司法省が公開したメールの中で「シリコンバレーは別世界だ」と記している。だがその後、エプスタインは、イーロン・マスク、セルゲイ・ブリン、ビル・ゲイツ、リード・ホフマンといったテック業界の最有力者とメールを交わすようになり、2016年のメールでは「シリコンバレーには友人がたくさんいる」と豪語していた。

新たに公開された司法省のメールは、エプスタインが当代屈指の富と権力を持つテック界の大物への異例ともいえるアクセスを、どのように個人的な投資に結び付けていったのかを詳しく明かしている。そこには、ベンチャーファンドへの出資や、コインベースのような暗号資産事業者への投資も含まれている。しかしエプスタインは、広範な人脈を持っていたにもかかわらず、実際に成立した投資案件は驚くほど少なく、結果として数億ドル(数百億円)規模の利益を逃した可能性があることも見えてきた。

「彼はテック投資が得意ではなかった」と、エプスタインの考え方を知る関係者は語る。テック企業のCEOやベンチャーキャピタリストと盛んに交流してはいたものの、「あの世界は彼の土俵ではなかったのだと思う。だから、うまくいかなかったのだろう」。

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接触があったとはいえ、性犯罪・違法行為に関与したわけではない──ただし、なぜ意見を求め続けたのかという疑問は残る

今回の文書で名前が挙がったテック界のビリオネアが、エプスタインと接触していたからといって、違法行為に関与していたことを意味するわけではない。多くの人物は、エプスタインとの関係を否定するか、浅いつながりだったと主張している。それでも、彼が2008年に性犯罪で有罪判決を受けた後も、なぜこれほど多くの人物がエプスタインからの助言や資金、意見を求め続けたのかという疑問はある。

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翻訳=上田裕資

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