4人の子を持つハリ・ラヴィチャンドランは、ネット世界に潜むリスクから子供たちを守ることの難しさを痛感し、AIを活用したオンライン安全管理プラットフォーム「オーラ(Aura)」を立ち上げた。「情報もデータもあまりに多く、家族はどこから手をつければいいのか分からず途方に暮れてしまう」と彼は語る。
ボストン在住のラヴィチャンドランは、50件の特許を持つエンジニアで、ペンシルベニア大学ウォートン校でMBAを取得している。彼は子供たちのネット依存という課題に取り組むため、2017年に起業した。
オーラは、親がインターネットへのアクセスを一時的に停止したり、スクリーンタイムを管理・確認できるほか、閲覧コンテンツの監視や特定サイトのブロックも行える。また、オンラインゲーム上でいじめを受けた場合には警告を発する機能も備えている。親は子供をオーラに追加し、QRコードを使ってデバイスを接続できる。
現在、オーラのユーザー数は約200万人、年商は約2億ドル(約312億円)で、社員数は400人を超える。同社はチャネルパートナーを通じて新規顧客を獲得しており、約2000社の大企業が、従業員向けの福利厚生としてオーラを提供している。また、現在は中小企業向けに、従業員をデジタル上のリスクから守るためのセキュリティ製品をベータテスト中だ。
11月には、デジタル時代における若者の保護に取り組む大手非営利団体「コモン・センス・メディア」と提携した。同団体は、コンテンツの評価や調査、リソースを提供しており、世界で約1億5000万人に利用されている。
「私たちの知見と、米国および世界中の子供と家族を守るというコミットメントに、オーラが持つオンライン安全分野での専門性と高品質なツールを組み合わせることが、今回の提携の狙いだ」と、コモン・センス・メディアの創業者兼CEO(最高経営責任者)であるジェームズ・P・ステイヤーは述べている。
この提携の下、オーラは家族向けのデジタルセーフティーに関するリソースや専門家によるガイダンスを共同ブランドで開発するほか、教育キャンペーンを共同で展開し、オンラインとライブのイベントを横断する協働プログラムを実施する。その中には、オーラが企画を担当する、2026年開催のコモン・センス・メディア・サミットにおける専用プログラムトラックも含まれる。
コモン・センス・メディアの保護者は今週、ニューヨーク州知事キャシー・ホウクルが主催したオンライン安全に関する意見交換会に出席した。ホウクルは、若者をネットやゲームプラットフォーム上の「新たな脅威」から守るための立法パッケージを提案しており、これには、年齢確認の強化、子供のプライバシー設定をデフォルトで最高レベルとする措置、AIチャットボット機能の無効化、保護者が子供の課金額に制限を設けられる機能の追加などが含まれる。



