金(ゴールド)と銀(シルバー)の価格は数カ月にわたる歴史的な上昇を経て、先週末に衝撃的な急落に見舞われた。ドナルド・トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に、ほかの候補ほど利下げに積極的でないとみられているケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名したことがきっかけになった。とはいえアナリストらは、今回の急落は長期的な下落の始まりを示すものではなく、価格は近いうちに回復する可能性があるとみている。
下落は一時的との見方
金と銀の価格は米国時間1月30日に急落し、金は10%近く、銀は一時30%も下げた。先週これより前、金は初めて1トロイオンス5600ドルを超え、銀も同120ドル台に乗せて最高値をつけており、いずれも劇的な相場反転となった。
しかしアナリストらからは、下落は長続きしないのではないかとの見方が出ている。英サクデン・ファイナンシャルのアナリストは2日、金と銀は引き続き安全資産として長期的な魅力を備えているとし、「向こう数日で控えめな短期的回復」がみられる可能性があると予想した。
米JPモルガンのアナリストは金に関して強気な姿勢を崩しておらず、むしろ年末時点の予想価格を過去最高の6300ドルに引き上げた。中央銀行や投資家からの需要が旺盛なことを理由に挙げ、「金の長期的な上げ相場はこれまでも一本調子ではなかったし、これからも一本調子ではないだろう。いったん消化し、リセットしたあと、再び上昇に向かう」と述べている。
ドイツ銀行の金属アナリストであるマイケル・シュエも、下落は一時的との見方を示し、金の年末の予想価格を6000ドルで据え置いた。「金価格が持続的に下落する条件が整っているようには見えない」とし、今回の下落は金への信認の崩壊ではなく、市場のボラティリティー(変動性)によるものだと分析した。
サムコ・セキュリティーズ(インド)のアプルバ・シェスは、今回の下落を健全な調整と捉え、過度な楽観主義がいったん冷やされることで今後の上昇の土台が整えられる可能性があるとする。ほかのアナリストたちと同じくシェスも、金はなお投資対象として長期的な魅力を保持していると考えている。
金と銀は2日も続落
金と銀の価格は2日も続落したが、午前は荒い値動きだった。米東部時間2日午後1時半(日本時間3日午前3時半)時点では金は前営業日の終値に比べ約2%安の1トロイオンス4651.1ドル、銀も同じく2%ほど安い同76.92ドルだった。



