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2026.02.03 18:30

急落の金・銀価格、今後どう動く? アナリストは「一時的な調整」と冷静

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金と銀が急落した理由

金と銀の価格は、トランプが次期FRB議長にウォーシュを指名したと発表した直後に下落した。ウォーシュはかねて金融政策に関して「タカ派」と見られており、ほかの候補者よりも利下げに慎重な姿勢と目されてきた。利下げは通常、金や銀の押し上げ要因になる。もっとも、ウォーシュは最近は利下げを支持する発言もしていた。

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英CMCマーケッツでアジア・中東地域の責任者を務めるクリストファー・フォーブスは米CNBCに対し、市場がウォーシュの政策判断を待つ間、金は引き続き不安定な値動きになるだろうと語った。金と銀の価格はドル安を背景に大きく上昇してきたが、ウォーシュ指名後はドルが反発した。

一方で、金・銀価格の今回のような急激な下落はウォーシュの指名だけでは説明できないとの見方もある。ブルームバーグ通信で金属市場を取材するジョン・ステペック記者は、ウォーシュは要因のひとつだと認めつつ、これらの貴金属は「あまりに高く、あまりに速く上がっていたので、壁にぶつかるのは時間の問題だった」と書いている。

金と銀の騰勢の背景

金価格は2025年に65%上昇し、銀価格にいたっては150%という驚異的な急騰を演じた。両貴金属の上昇は今年1月に入っても続き、金は5600ドル、銀は120ドルをそれぞれ超えた。

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アナリストらは、この上げ相場は複数の要因が重なって起こっていると説明している。2025年に実施された利下げ、トランプが第2期政権の始動直後に導入した関税、地政学的な緊張の高まりなどだ。地政学的緊張の高まりには、米国によるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束、イランや欧州諸国との緊張激化などが含まれる。ドル安が進むなかで、金と銀は安全資産として需要が高まり、銀の場合はテクノロジー産業の原料としても需要が増えた。

FRBの独立性への懸念も金・銀価格の押し上げ要因となっている。トランプはジェローム・パウエルFRB議長を繰り返し攻撃し、司法省は、FRBの建物改修工事をめぐりパウエルが議会に虚偽報告をしたのかどうかについて捜査まで始めた。

金と銀の価格が1月30日に暴落するのに先だち、貴金属市場そのものが壊れているとの指摘も出ていた。スイスの金製錬会社MKS PAMPで金属戦略を統括するニッキー・シールズは先週これ以前、CNBCの取材に対し、貴金属市場について「前代未聞のボラティリティーから判断すると壊れている」ように感じると述べ、「戦術という観点では買われ過ぎている」との見解を示していた。ほかのアナリストらも同様に、金と銀のこれほど極端な値上がりは需要と釣り合っていないとCNBCに語っていた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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