リーダーシップ

2026.02.03 17:00

心地良いチームの「業績が悪い」理由と、リーダーに望まれること

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「過剰な調和」がもたらす見えないコスト

チームがともに明晰に思考するには、緊張感が必要だ。それがなければ、思い込みは強固になり、盲点は増える。意思決定は、十分に検証されないまま前に進む。全員が同じ意見だからではない。異論を唱えることが、社会的コストを伴う行為に感じられるからだ。

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それがもたらす結果は通常、後になって現れる。立てた計画は崩れ、リスクは現実となる。盤石と思われた意思決定に、弱点が見え始める。そして最後には、誰かが言うのだ。「私は早くから、これに疑問を感じていた」と。そのころにはもう、率直であるべき瞬間は過ぎ去り、発言するコストの方が、沈黙を保つコストより高く感じられている。

研究によると、心地良さは、説明責任にも悪影響を及ぼす。気まずい会話を避けることで、十分に成果が上がらない状態が長引く。期待が不明確になる。小さな不満が感じられたとしても、直接対処されないために蓄積する。そうするうちに、表面的な礼儀正しさの下で、鬱憤が育っていく。

皮肉なことに、人間関係を守ろうとする努力が、かえって関係を損なう。チームは、相手が言葉にすることと、実際に感じていることに隔たりがあると察知する。互いへの信頼は、本物ではなく、見せかけのものになる。

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「心地良いチーム」が、プレッシャーに弱い理由

心地良さを重視するチームは、仕事が予測可能でリスクが低い状況では機能しやすい。しかしプレッシャーが高まると、その限界が露呈する。

緊急で下す決断には、異なる意見が欠かせない。危機的状況には、率直な対話が求められる。率直さより礼儀を重んじてきたチームは、そうした状況に適応することが難しい。

このようなチームでは、悪い知らせは遅れて伝わる。情報はフィルタリングされ、「管理可能」と思わせる内容になって届く。リーダーは、現実的な見解を必要とする時に、安堵するような言葉を受け取る。組織の他部門が切迫感を募らせるなかでも、ミーティングは平穏を保ったままだ。

これは、チームの性格的な問題ではない。能力的なギャップだ。生産的な緊張関係の中で働く方法を学んでいないチームは、肝心な時に、実践的なスキルや経験を欠いてしまう。そうしたチームがストレスを受けると、何もできずに固まるか、あるいは崩壊するのみだ。

かつては支援的と感じられた行動が、自分たちを縛る制約として感じられ始める。

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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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