リーダーシップ

2026.02.04 15:00

外向的なリーダーよりも生産性が高い「静かなリーダー」になるには

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静かなリーダーシップはどう現れるか

静かなリーダーシップを実践する上で重要なのは、戦略的に自制することだ。具体的に説明しよう。

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・積極的に耳を傾ける:静かなリーダーは意思決定を行う前に、反対意見を含めて、どのような意見や情報でも誠実に耳を傾ける。沈黙も情報の一つととらえる。

・共感力を示し、感情を制御する:静かなリーダーは、プレッシャーがかかる状況でも冷静さを失わず、心理的な安全性を育むことで、チームがリスクを負ったりイノベーションに挑んだりできるようにする。

・権威よりもエンパワーメントを優先する:静かなリーダーは、命令を下すより質問を投げかけ、チームメンバーが、自ら効果的な戦略を作り上げられるよう手助けする。

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・思慮深いコミュニケーションを図る:静かなリーダーが実際に発言する時は、意図的にノイズを排除して本質を述べる。

静かなリーダーは、発言の前にどうやって権威を示すのか

非言語コミュニケーションに関する研究によると、リーダーとしての存在感は、最初の言葉を口にする前からすでに確立されていることが多いという。静かなリーダーは、場を支配するようなことはしないが、微妙で一貫したシグナルを用いて、権威と落ち着きを伝える傾向がある。例を挙げよう。

・オープンな姿勢を保って、自信と親しみやすさを醸し出す。緊張感を漂わせたり、身構えたりしない。

・安定的かつ意図的なアイコンタクトを用いて、相手に対する関心と敬意を示す。

・最小限だが目的を持った振る舞いをし、そわそわしたり、過度にジェスチャーを使ったりしない。

静かなリーダーは、間を効果的に用いる。そうすることで、その場にいる人が反射的に反応せず、熟考するよう持っていく。そして、自ら発言するときは、指示を出す前にまず、話を聞いていたことをしっかり伝えるための短めの前置きを添える。例えば次のようなひと言だ。

・「私が正確に理解できているか、確認させてほしい」
・「話し合っている内容について、整理させてほしい」
・「結論を出す前にちょっと立ち止まり、考えたいことが1つある」
・「共有された内容を踏まえて、私の考えを述べたい」

こうした前置きは、ためらいではなく慎重さを促すものだ。

静かなリーダーになるには

静かなリーダーは、内向的な人のためだけのものではない。声高に発言するよりも、思慮深さを反映した習慣や姿勢を養えば、誰もが「静かなリーダーシップ」を身に着けられる。

1.日頃から積極的に耳を傾ける:何か言葉を返す前に、まずは理解するために話を聴こう。発言を促し、それを尊重しよう。

2.熟考を優先する:事あるごとに反応するのを止め、慎重に検討して意思決定を行うための時間を設けよう。

3.心理的な安全性を育む:チームメンバー全員が、意見やアイデアを共有できる雰囲気を作り出そう。

4.感情知能を高める:自己認識を磨いて、自分を見失わないようにしよう。

自信があることと、声高に主張する姿勢を同一視する職場文化においては、自制は誤解を招くことがある。新しくリーダーの立場に就いた人や、役職上の権限を持たない人にとってはなおさらだ。

サステナブルな高級ストローのブランド「Ecolux Goods(エコラックス・グッズ)」創業者のラエル・バリーはメールで、「自分の考えを持ち、それを行動で示そう」と述べている。「能力は、決断の下し方、境界線の引き方、時間をかけて習慣を作り上げていく姿勢に表れる。意見が最も重みを持つのは、声のボリュームではなく、一貫性に裏打ちされている場合だ」

バリーは、自分が沈黙した時に、それを誤って「弱さ」と受け止められてジレンマに陥ったことがあると明かした。公の場であえて沈黙することを選ぶのには強い意志が必要だったが、結果として、議論は速やかに終わり、すべての利害関係者にとって望ましい結末を迎えたという。

「声高に主張すること」とリーダーシップがしばしば同一視され、「キーキーきしむ車輪」が目立つ環境において、自らがどういう姿勢を示すかに注力することは戦略的な在り方と言えるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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