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2026.01.30 10:00

金の騰勢が映す「信頼の崩壊」 現実に向き合わない政治に市場は厳しい視線

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ノーマンは、金価格がピークに近づいている兆候を探したものの、現時点では見いだせなかったという。

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株式の世界には「タクシーの運転手やベルボーイが株価を語り始めたら天井を打つ」という格言がある。ノーマンは、自身や友人の金トレーダーが地元のパブで住人や赤の他人から金価格について質問攻めに遭うというエピソードを引き合いに出し、現状を吟味している。

「面白いのは、人々が相場の先行きについて語り始めたとたん、まさにそれこそが、天井が近いことを示す最も明確なサインになる場合が多いことだ。しかし、今回はいまのところバロメーターは下がっていない」

ノーマンは金融・財政部門の大きな懸念事項として、債務が増加の一途をたどっていることに言及している。彼は、債務自体は「本質的に悪いものではない」としながらも、それが制御不能になって自己増殖し始め、さらにその動きに歯止めを掛けようとする政治的意思も欠如しているときには、「真の危険」になると警鐘を鳴らしている。

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「自由主義の西側諸国では、緊縮を掲げるリーダーは決まって選挙で追放され、国民は苦い薬を飲むのを拒む。東側もそのことを知っている」と彼は書いている。

「債務中毒」に陥っている西側諸国

「わたしたちは新たな財政刺激策に飛びつく中毒者になってしまった」とノーマンは嘆き、こう問いかける。

「しかし、その魅力的な『借用証書』、つまり、西側の国々が分不相応な生活習慣を維持するために次から次に発行している国債は、いったい誰が買うのだろうか」

ノーマンは続けて、金価格の上昇を終わらせるものは何だろうかと問うている。そして、経済協力や前提が疑問視される状況をめぐり、上の述べたように婚姻関係での信頼の喪失をたとえに出している。

そのたとえで言えば、金は「Hinge(ヒンジ)」や「Tinder(ティンダー)」のようなマッチングアプリの経済版にあたるものだと彼は言う。金もマッチングアプリのように、現状を維持することにもはや価値が見いだせなくなったときに、それに代わる存在を探す動きを表しているということだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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