──2026年のリスクは何ですか。
ソネンフェルド:最大のリスクは物価高、つまり、インフレだ。ふたつ目のリスクは民主主義的価値観の衰退だ。トランプ大統領は決して保守などではない。企業への介入を強める姿勢は、保守派が考える官民セクターの分離と相いれない。
──日本企業が不確実性の時代を生き抜くためのアドバイスを。
ソネンフェルド:トランプ大統領による個別攻撃を避けるには、公の場で対立すべきではない。他者との協働も効果的だ。日本企業は従来、国内で団結し、経産省などが国際的に大きな役割を果たしてきた。また、できる限り、米国企業と協力すべきだ。
そして、トランプ大統領と対峙する際には公の場ではなく、直接、交渉すべきだ。日本のビジネス界には、相手との対立を避けて礼儀正しく接する伝統がある。日本の企業幹部は、敵や競合相手にも敬意を示すが、トランプとの関係でも、それが大いに役立っている。
家電や自動車など、業界ごとに大企業が協力し合うのが、トランプ大統領に対処する最善の方法だ。万一、日本企業が業界内で結束できない場合は、米国の同業者と手を組むべきだ。
歴代の米大統領と違い、彼は企業幹部の声に耳を傾ける。自分の利益に並々ならぬ関心があるからだ。日本企業は、その点を踏まえて行動すべきだ。
ジェフリー・ソネンフェルド◎イェール大学経営大学院教授。同大学のリーダーシップ研究担当上級副学部長を務める。同大学の「チーフエグゼクティブ・リーダーシップ研究所(CELI)」創設者・所長としてもよく知られている。


