働き方

2026.01.30 13:00

朝9時から夜9時・週6日の「996勤務」は持続不可能、従業員・経営者ともに機能しない理由

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「Rise and Grind(猛烈に働こう)」と書かれたコーヒーカップや、「Success Never Sleeps(成功したいなら休むな)」というステッカーがノートパソコンに貼られているのを目にしてからずいぶん経つ。かつてハッスルカルチャーを声高に称賛していたそうしたスローガンは今では時代遅れで、正直なところ少しきまり悪く感じられる。最近では、仕事と生活のバランスを取ることのメリットや、マインドフルネスを受け入れることを称えるミームの方をよく見かける。従業員たちは「寝る時間を惜しむ」ことに興味はなく、きちんと8時間睡眠を取り、リフレッシュした状態で仕事に向かいたいと考えている。

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午前9時から午後9時まで、週6日働く「996」

少なくとも、表向きはそうだ。だが米シリコンバレーのテック系スタートアップに目を向けると、古い価値観が今も健在であることが分かる。ただし、それは装いを新たにしている。「996」と呼ばれる働き方で、まず中国で広く見られるようになり、米国でも広がっている。これは午前9時から午後9時まで、週6日働く勤務形態を指す。つまり、標準的な週40時間労働に加えて、もう32時間も働くということだ。

会社を立ち上げ、成長させる過程で仕事にすべてを費やす時期があることは私も十分理解している。事業計画をじっくり読み、コードのバグを修正する以外のことがほとんど考えられない日々が続き、8時間睡眠という概念はきちんとした食事を作ってキッチンテーブルに着席して食べるという発想と同じくらい遠いものに感じられる。

だがそうした時期は例外であるべきで、期待される働き方であってはならない。996的な考え方の危険性は、一時的な犠牲を常態へと変えてしまう点にある。それは完全に持続不可能だ。その理由は以下の通りだ。

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翻訳=溝口慈子

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