働き方

2026.01.30 13:00

朝9時から夜9時・週6日の「996勤務」は持続不可能、従業員・経営者ともに機能しない理由

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996が場当たり的な考え方である理由

リーダーにとって996の原理は生産性向上の近道のように見えるかもしれない。競争を勝ち抜くには、「極めてハードコア」だと自認する人材だけを採用すればいいという発想だ。イーロン・マスクがXへの入社を検討している人に対して、クビにならないためには激務をこなさなければならないと警告したことにも示されている。

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労働時間が週50時間超で生産性は急激に低下、週55時間を超えるとほぼ崩壊

現実にはこのモデルは持続不可能だ。短期的には生産性が上がるように見えるかもしれないが、従業員が燃え尽きるにつれてその効果は必然的に失速する。労働時間が週50時間を超えると生産性は急激に低下し、週55時間を超えるとほぼ崩壊することが研究で示されている。結局のところ、余分に働く15時間はほとんど意味を持たない。

長時間労働を続けることはハードコアでも何でもない。ただ非効率なだけだ。私は夜遅くまでガリガリと働くことを従業員に求めるよりも成果に焦点を当てる方がよいと考えている。私が経営するJotform(ジョットフォーム)では、従業員はそれぞれ部門横断型のチームに所属し、毎週の締め切りを守ることが期待されている。出社する方がチームの生産性は高いと考えてはいるが、私は従業員に自分のピーク時間を活用するよう勧めている。早朝から午後にかけてが最も集中できるなら、その時間帯に働いて構わない。長い散歩が苦慮している問題の解決に役立つなら、スニーカーを履いて外に出ればいい。エンゲージメントに万能のアプローチはない。自分に合った働き方を選ぶ自由を従業員に与えることは、信頼を示すだけでなく、創造的思考の土台を築くことにもつながる。

休暇を取った人の大多数は、活力や生産性が増す

また、模範を示すことが非常に重要だ。もしリーダーが毎週のように深夜まで働いているのを見れば、従業員も同じことをしなければならないと感じるだろう。有給休暇の重要性を口では語りながら、自分は一切取らないというのは、従業員も有給休暇を取るべきではないという明確なメッセージになる。これは間違いだ。米国心理学会によると、休暇を取った人の大多数は仕事に戻った時、活力や生産性が増し、仕事の質が向上しているという。

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ハッスルカルチャーと呼ぼうが、996と呼ぼうが、過剰労働の称賛は持続可能なビジネスの構築にはつながらないという事実は変わらない。労働時間よりも成果を優先し、「Rise and Grind」のポスターとその精神はそれらがあるべき場所、つまりゴミ箱に捨てるべきだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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