ミラノ冬季五輪が映し出す放送の未来 AIとクラウドが変える視聴体験の全貌

kovop58 - stock.adobe.com

テクノロジーの融合が描く「17日間のイタリア」

ミラノ・コルティナ五輪は、単に選手が記録を競う場であるだけでなく、テクノロジーがいかにしてスポーツの魅力を増幅させ、同時に環境への配慮を実現できるかを証明する巨大なショーケースとなる。 

advertisement

視覚的にはFPVドローンや360度リプレイが視聴者の「体験」を変え、舞台裏ではクラウドとAIが「制作」の常識を覆す。そして、デジタル空間ではAIアシスタントがファン一人ひとりに寄り添い、パーソナライズされた感動を提供する。 

CEOは地理的に離れた会場についても、「開会式は地理的に分散して行われるが、コネクティビティ技術のおかげで、4、5か所の会場で同時に行われているように演出する。すべての選手が“参加している”と感じられるようにすることが重要だ」と、技術の役割を演出に転換する。 

さらに、OCSは今大会で初めて、公式映画「La Montagna e La Città(山と街)」を自社制作。英国アカデミー賞ノミネート監督であるキアラ・メッシネオ氏をリードディレクターに迎え、コルティナの雄大な山々とミラノの洗練された街並みを舞台に、伝統と進歩の間の緊張と調和を描き出す。 

advertisement

最先端のAI・クラウド技術と、人間味あふれるシネマティックなストーリーテリング、この両輪が揃うことで、ミラノ・コルティナは、五輪放送史に新たなページを加えることになる。17日間にわたるイタリアでの挑戦は、スポーツファンのみならず、テクノロジーとメディアの未来を見据えるすべての人々にとって、見逃せないイベントとなる。

本来、2020年に開催されるはずだった東京五輪においても、NHKやNTTドコモを始めとする“テック・カンパニー”では、5Gを活用した「新しいスポーツの観戦方法」を具現化する予定ではあった。新型コロナ感染症の蔓延による無観客開催などにより、その準備したテクノロジーは、ドローンショーぐらいしか披露することができなかった。可能であれば、また日本で世界の最先端となる視聴体験を提供できる五輪開催も模索してほしいものだ。
すぐに感情論に走る五輪反対派が、世界に誇る日本の最新技術ショーケースとその具現化を阻むのではあろうが…。

文=松永裕司

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事