OBSはAlibabaとの戦略的協業により「リアルタイム360度リプレー」を導入。これは、会場に設置された多数のカメラによる映像と、高度なストロボスコープ分析技術を融合させたシステムであり、CEOは「パリ大会で導入した360度リプレーを進化させ、AIにより数秒でリプレーを生成できるようになった。これに今回はデータを重ね合わせるオーバーレイ機能を追加する」と、その進化のポイントを強調した。
フィギュアスケートの4回転ジャンプの着氷、フリースタイルスキーの空中でのひねり、あるいはショートトラックでの接触の瞬間。これらを単一のアングルではなく、あらゆる角度から検証可能な「マルチアングル」にて提供。さらに、時間を止めたような「フリーズフレーム」や、超高精細な「スローモーションシーケンス」を即座に生成、肉眼では追いきれないスキルの細部、テクニックの精緻さ、そして一瞬の判断を鮮明に描き出すという。
さらに注目は「氷上のチェス」を可視化するAIストーントラッキングだろうか。 カーリングは「氷上のチェス」とも呼ばれ、高度な戦略性が魅力だが、初心者にはその複雑さが伝わりにくい。この課題に対し、OBSは画期的なAIストーントラッキングシステムを導入。この技術の意義をCEOは「カーリングは非常に専門的なスポーツだ。AIを使ってストーンの回転や軌道データをライブ映像に重ねて表示する。これにより、視聴者は選手の技術の凄さを直感的に理解できるようになる」と解説した。
冬季五輪史上初めて導入されるこの高度なシステムは、ストーンの軌道、速度、回転、タイミングをリアルタイムで検知し、視覚化する。例えば、スキップがなぜそのショットを選択したのか、ストーンの回転数がその後の曲がり幅にどう影響するのかといった、これまで解説者の言葉に頼っていた“見えない情報”が、洗練されたグラフィックとして可視化される。新たに導入されるオーバーヘッドレールカメラや、アイスレベル視点のカメラと組み合わせることで、視聴者はリンク上の戦略マップを俯瞰しつつ、選手と同じ目線で氷の状態を読むことができるとさえ言う。AIがデータを物語へと変換し、観戦体験の質を向上させる好例となるだろうか。


