ホンダは、レースで培われたHRCの知見を、市販モデルへフィードバックしている。シビック タイプR、新型プレリュード、CR-V、トレイルスポーツのそれぞれのHRCコンセプトモデルに加え、660ccの軽自動車N-ONEをベースにした無限による「スーパーワン」プロトタイプも発表した。ちなみにHRCは、ホンダの社内グローバルレーシングユニットであるHonda Racingの略称だ。プレリュードHRCは、タイプRのサスペンションを微調整したセッティングになっているが、「走行性能を向上させるためのパフォーマンスパーツを追加した」としている。
マツダは、自社開発のスピリット・レーシングカーの最新モデルとして、700万円ほどのロードスターをベースにした「RSフューチャー・コンセプト」と、マツダ・スピリット・レーシング3フューチャー・コンセプトの特注バージョンを公開した。
スバルは、WRX S4、インプレッサ、レヴォーグのSTIバージョンに加え、全日本スーパー耐久シリーズに参戦するBRZベースの新型レースカーを発表した。
しかし、展示されたすべての車の中で、私が今年のショーで一番気に入ったのは、ダンロップのブースに展示されていた標準装備のいすゞ「117」だった。伝説のデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが1968年にデザインした117は、時代を超越した美しいラインとプロポーション、そして1.6リッターエンジンを誇る。そして、1970年代後半にはディーゼルエンジンが搭載され、ディーゼルエンジンを搭載した最初のスポーツカーとなった。あまたの新車が発表され、またはカスタマイズされた姿を誇るTASで、半世紀以上前のモデルが印象に残ったというのは、ちょっと考えさせられることであった。
その次に驚いたのが、特別仕様のホンダNSX。会場には、NSXをベースにイタルデザインがカスタマイズを施した「ホンダNSX Tribute by Italdesign」が話題になっていた。先にも触れたが、カーデザイン界の巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロ氏によってイタリアに創設されたカロッツェリア「イタルデザイン」のデザインが、全世界で愛されている。フォルクスワーゲン・ゴルフやフィアット・パンダといった名車、そしていすゞ117クーペやトヨタ・アリストなどを生み出したほか、数々の工業製品のデザインを担当してきた。そんなイタルデザインが今年のオートサロンで初披露したのが、2代目NSXをベースとした特別モデルだ。日本市場のために、10〜15台の限定生産を予定し、1台が約1億8000万円になるだろうと言われている。


