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2026.02.02 13:30

独自加熱技術で「持ち運べる製鉄所」実現へ

太田明日美|D4V(写真左)・西岡和彦|SUN METALON(同右)

太田明日美|D4V(写真左)・西岡和彦|SUN METALON(同右)

西岡和彦は2021年2月、米国でSUN METALONを創業した。同社は、金属の製造やリサイクル工程で生じるCO2排出量を大幅に削減する独自の加熱技術を開発・提供。金属くずから不純物を除去し、高純度素材として蘇らせることができ、従来よりも小型の設備かつ低コストで環境負荷の少ない金属リサイクルを実現する。日米に拠点を抱え、製鉄、自動車、建機などの業界に対して展開している。

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D4Vパートナーの太田明日美は、21年のシードラウンドからSUN METALONに出資し、支援している。その理由とは。


太田:世界的デザインコンサルティングファームのIDEOをルーツにもつD4Vは、スタートアップをデザイン面でサポートできることが特徴です。西岡さんの描く壮大なビジョンは魅力的で、SUN METALONの革新的な技術を世界に広めるうえでデザインが果たせる役割は大きいと思い、投資させてもらいました。

西岡:我々が保有しているのは、金属の加熱を小型の設備で高速に、CO2排出量を抑えながら低コストで行える特許技術。山手線の直径と同じくらいの巨大な製鉄所を、持ち運び可能な小さな箱にギュッと押し込めて、例えばアフリカや火星など、サプライチェーンが分断されている場所でもものづくりができる世界をつくろうとしています。米国を本拠に創業したのは、33年に500兆円になるといわれている世界の金属素材産業を本気で変えるため。その意味で、D4Vのグローバルな視点とデザインのサポート体制は魅力でした。

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太田:何もないところから一緒にやってきましたね。会社のミッション、ビジョン、バリューづくりやウェブサイトでのストーリーテリングをはじめ、両社のエンジニアとデザイナーが一体となって良いものづくりを目指してきました。

西岡:プロダクトデザインでは、コンセプトづくりから、カスタマージャーニーの定義、装置の配置、最適なUI/UXまで包含的に支援いただいた。我々のビジョンに深く共感してくれたメンバーの方がモチベーション高く取り組んでくれることが印象的でした。

太田:事業面では、創業当初に取り組んでいた金属3Dプリントから金属リサイクルへかじを切るという決断も途中でありましたね。この方向転換も、技術に対するユーザーのニーズをしっかりとくみ取って、最も早く収益化でき、市場機会が大きいところにフォーカスするという点でポジティブに受け止められました。

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文=眞鍋 武 写真=平岩 享

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私がこの起業家に投資した理由

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