国内

2026.01.28 08:30

Luup、マイクロモビリティ界の「iPhone」へ 日本を救う「世界初の挑戦」

岡井大輝|Luup代表取締役CEO

累計資金調達額約214億円

若者たちが利用する電動キックボードのイメージが強いLuup。同社が運営するマイクロモビリティシェアリングサービス「LUUP」は、ポート数1万6000カ所、展開エリアも34地域、電動キックボード、電動アシスト自転車の車両は4万台、アプリの累計ダウンロード数は500万を超えている。特に、東京23区内のポート数は7800カ所にのぼり、同地域の大手3社のコンビニ数約4200店舗を大きく上回る。また、同社は25年11月、エクイティファイナンスおよびデットファイナンスにより、総額44億円の資金調達。18年7月の創業以来の累計調達額は約214億円となり、VCからだけでなく、ENEOSイノベーションパートナーズ、東急、ファミリーマートなどのインフラ系企業からも資金調達してきた。

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そんな急成長下での、ユニバーサルカーの開発、ディープテック企業への進化へ躊躇はなかったのか。「ない」と答えた岡井は次のふたつの理由を説明する。ひとつは創業時からの思い。もうひとつは未来へ向けた投資の可能性だ。「創業1年目から三輪〜四輪のユニバーサルカーをつくろうと動いていました。実際に高齢者への試乗会も行いました。やはり電動モビリティは若者のためではなく、高齢者までを包括する必要があると当初から思っていたんです。ですが、技術的に難しかった。だから、創業時からユニバーサルカーを開発するという意思決定をしていたともいえます」と岡井は話す。

続けて、ビジネスモデルについても、こう説明する。高額な車両価格という課題があるが「僕らはメーカーではなく、大量生産して販売するだけのモデルではありません。R&D(研究開発)しながら製造コストを下げて、シェアリング事業と統合するモデルであり、多くの方が乗れるものを提供していく」。そしてシェアリング事業を広く展開することで製造単価を抑えられ、R&Dを内製化することで利用者の声を反映しながら、車両のコスト構造も改善できるという。そして、岡井が狙うのはその先だ。

「(利用者の年齢層が広がることで)地方や過疎地でも採算を合わせられ、展開エリアをさらに拡張できる。また、まだ誰も社会実装できていない完全自立するマイクロモビリティとして、Unimoには、中長期的に自動運転の搭載も目指したいと思っている。その意味で、より一層、『すべての人々の移動課題の解決』に近づくことができる。都市過密、地方過疎という地域課題と、高齢化という日本全体の社会課題が存在するなかで、若者から高齢者まで利用でき、かつ、都市部と地方で同じという新たな移動のインフラが成立したら、日本を救うのではないか、と。それが『街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる』というミッションの意味しているところでもあります」

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岡井は今回のUnimoの挑戦について、こうも定義している。「僕らは、携帯電話からスマートフォンに変わったような変化を起こしたいと思っています。スティーブ・ジョブズが米アップルで起こした『iPhone』による社会変革の系譜を引き継いで、イーロン・マスクが米テスラでやろうとしたものを、僕らはマイクロモビリティでできたらいいなと。今の僕らは安全対策をはじめまだまだ頑張らなければいけない部分も多く残っていると率直に思っています。ただ、その先に、世界初の挑戦を社会実装し、『世界で最もいいものが日本から現れた』『しっかりと社会を変えたハードウェアのインフラになった』ということを示していきたいですね」。日本を救うと本気で信じて挑戦する岡井が、そう遠くない未来に世界を変えるのかもしれない。


Luup◎2018年7月設立。“街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる”というミッションのもと、マイクロモビリティシェア事業を展開。電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを包括的に取り扱う移動インフラの社会実装を目指す。25年には三輪・座り乗りのユニバーサルカーも発表。

文=山本智之 写真=ヤン・ブース

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