2024年の選挙前に公開されたUBSのデータでは、米国の富裕層の過半数が、僅差でトランプよりもカマラ・ハリスを支持していたことが示唆されていた。一方で、その中でも最も裕福な「ビリオネア」の多くは、トランプと共和党の背後に結集した。
ワシントン・ポストによれば、2024年時点で米国で最も裕福な100人による選挙資金の80%超が共和党に流れたという。トランプは、最初の大統領選挙時と比べ、最富裕層100人から15倍の資金を集めた。大統領在任中も超富裕層への接近を続け、ハワード・ラトニック商務長官やリンダ・マクマホン教育長官など、複数のビリオネアを閣僚に迎え入れている。
調査対象となったG20諸国の富裕層のうち、トランプ政権が自身の個人資産に利益をもたらしたと考えている人の割合は33%だった。トランプは就任後、相続税における非課税枠の拡大や、国際的な法人税の引き下げなど、超富裕層に恩恵を与える複数の法律や条項を成立させてきた。
ニューヨーク・タイムズは最近、トランプが「大統領職を利用して」少なくとも14億ドル(約2200億円)の個人資産を増やしたと報じた。同紙は、この数字が過小評価されている可能性を述べた上で、その内訳として、さまざまな暗号資産を通じた少なくとも8億6700万ドル(約1370億円)、テクノロジー企業やメディア企業からの和解金9000万ドル(約142億円)、再選後に海外で自身の名前を使用させたライセンス収入2300万ドル(約36億3600万円)、メラニア・トランプを題材にしたアマゾンのドキュメンタリーからの2800万ドル(約44億2600万円)などを挙げている。
富の不平等に対処すべきだという声は数十年にわたって高まってきたが、特に最近では、急速に拡大する格差を示す証拠が積み重なってきたことによって、改めて浮き彫りになっている。
オックスファム・インターナショナルの最近の報告書によれば、2025年にビリオネアの資産は16%超増加し、これは過去5年間の平均と比べて3倍の伸び率だった。同報告書はまた、2020年以降、ビリオネアの資産が81%増加し、直近1年間でビリオネア全体の資産総額は2兆5000億ドル(約395兆円)に急増したとしている。この額は、世界で最も貧しい41億人が保有する資産総額に相当する。
また、世界不平等データベースによれば、ほぼすべての国で、最も裕福な上位10%が個人資産の50%超を保有しているという。中でも米国は、資産分配の不平等が最も大きい国の1つとして上位に位置している。


