暗号資産

2026.01.26 10:00

ビットコイン・暗号資産「5つのトレンド」予測、トークン化やAIエージェント型コマースは進むか

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米国において暗号資産は、規制緩和と機関投資家の本格参入を背景に、金融システムの中核で足場を築きつつある。この分野は2025年、単に勢いに乗ったのみではなかった。数年前、銀行がリスク資産として距離を置き、ゲイリー・ゲンスラー前米証券取引委員会(SEC)委員長が厳しい取り締まりを進めていた時代からは想像できないほどの形で、業界は飛躍した。

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長年の要望だった規制緩和を実現、暗号資産に前向きなリーダーが米規制当局に誕生

この業界は、長年ロビー活動を続けてきた要望のほぼすべてを手に入れた。ルールが曖昧なまま摘発が相次ぐ状態を脱し、ステーブルコインに焦点を当てた初の本格的な連邦暗号資産法である「GENIUS法」が成立した。米政府が暗号資産の保有にコミットする「戦略的ビットコイン準備金」も設けられた。SECと商品先物取引委員会(CFTC)の双方に、ポール・アトキンスSEC委員長、マイケル・セリグCFTC委員長という公然と暗号資産を支持するリーダーが新たに誕生している。

潮目の変化を最も明確に示す動きの1つが、長年ビットコインを「詐欺」「愚かさの象徴」「無価値なもの」と切り捨ててきたJPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモンの姿勢の転換だ。考えを改めた彼は、ビットコインの保有を「タバコを吸う権利」に例えた。総資産が4兆5000億ドル(約697.5兆円。1ドル=155円換算)を超えるJPモルガンが近く、機関投資家向けに暗号資産のトレーディングを提供する可能性すら浮上している。

トランプ大統領の支援を追い風に、暗号資産の時価総額が初めて約620兆円を突破

何より米国においてビットコイン・暗号資産は、ドナルド・トランプという最も理解のある大統領を味方につけた。しかも、トランプ自身がそこから利益を得ている。その結果、暗号資産の総時価総額は、2025年7月に初めて4兆ドル(約620兆円)を突破した。ビットコインも10月に12万6080ドル(約2000万円)の過去最高値を付けたものの、その後はマクロ環境の圧力やレバレッジの解消、初期保有者の利益確定が重なり、年末にかけて下落した。

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ここでは、2026年の暗号資産分野について、米国における5つのトレンドを予測する。

(1)現物ビットコインETFを通じ、機関投資家の関与が広がる

2024年1月にSECが現物ビットコインETF(上場投資信託)を承認したことで始まったETFブームにより、資金流入が加速した。現在、世界には100本を超える暗号資産ETFやETP(上場投資商品)が存在し、その運用資産残高は2000億ドル(約31兆円)を上回ると推定されている。

「ETFを通じた機関投資家の関与は、これからの1年、着実に広がっていく」と語るのは、10月にFalconXに買収されたETP提供会社21Sharesの共同創業者オフィリア・スナイダーだ。「ビットコインETFは、モデルポートフォリオや401(k)に組み込まれ、個人の自己判断による投資にとどまらず、運用方針に基づく投資枠へと広がっていく。規模の大きい機関による本格的な採用も進む」。

スナイダーは「多くの人が見落としがちだが、実際の資金の大半はここにある。本格的な配分に踏み切っていない投資家も、まだ数多く存在する」と指摘した。

こうした変化は、ビットコインの購入者層のみならず、市場での値動きの性質そのものを変えていく。「今後は、暗号資産ネイティブな投資家層よりも、はるかに分散された投資家によるグローバルなマクロ環境への見方が、ビットコインの価格を左右するようになる」とスナイダーは述べている。ビットコインと株式市場の双方に資金を投じる投資家も増えているという。

コインベース・ベンチャーズの責任者フーリー・テジュワニも、この見方に同意し、「2026年は、この分野にとって、誇張や熱狂よりも成熟を感じさせる年になるだろう」と語った。

次ページ > (2)資産をブロックチェーン上でデジタル化した、「トークン化資産」が増加

翻訳=上田裕資

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